今週末見るべき映画「フード・インク」

2011年 1月 21日 00:00 Category : Art

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【Story】

第1章「すべての食品はファストフードに」

 「ファストフードが世界を食べつくす」の著者、エリック・シュローサーは、「業界の思惑は巧妙に消費者から隠されてきた」と語る。マクドナルドが、ドライブインに店舗を展開し始めたのは1930年代。店舗の調理場に工業システムを導入、単純作業だから、安い賃金で済む。マクドナルドは、アメリカ最大の牛ひき肉の買い手だ。また、豚肉、鶏、じゃがいも、トマト、レタス、りんごの最大の買い手でもある。1970年、食肉加工業者のタイソン社やカーギル社など大手5社の食肉シェアは25%だったが、いまでは、大手4社で80%以上を占拠する。

 タイソン社は、養鶏を根本から変えた巨大企業。ヒナは50年前の半分の日数で育つ。しかも大きさは2倍。ケンタッキー州の田舎。鶏舎があちこちにある。狭いスペースに詰め込まれた鶏たちの様子が想像できる。タイソン社と契約している農家は、中の様子を見せてくれない。バーデュー社の契約農家、キャロル・モリソンは、昔ながらの開放型の鶏舎で養鶏していて、鶏舎の中を見せる。早く育つために、自分の体重を支えきれなくて、歩けない鶏もいる。キャロルは、飼料に含まれる抗生物質のためにアレルギーになったことを告白する。隠しカメラが、夜中の鶏舎を捉える。鶏が眠っている間に、トラックに積み込む。すべての鶏が、処理工場に運ばれる。バーデュー社は取材を拒否。キャロルは会社のすすめる換気式の新鶏舎の導入を拒否、契約は終了する。契約農家が設備などで抱える借金は平均50万ドル、年収は1万8千ドル。 

第2章「豊かさの選択」

 「雑食動物のジレンマ」の著者、マイケル・ポーラン。「食べ物に関する本を書くのは、実態から隔てられているから」と語る。スーパーにあるたくさんの食品を見て、「関与しているのは、数社と数種類の穀物だ」とも。そして「工業食品の原材料が、ほとんどコーン」と言い切る。コーンの大量生産は、種子メーカー、化学肥料と殺虫剤メーカーの功績である。カーギル社などの穀物メジャーが、安いコーンを買いまくる。そして用途を開発する。コーン製品とは、ケチャップ、チーズ、ピーナツバター、スナック菓子、ドレッシング、ダイエット甘味料、シロップ、清涼飲料水など。コーンは牛や豚、鶏などの家畜の飼料でもある。魚にもコーンを食べさせる。牛は本来、草を食べる。安いから、コーンで飼育する。

第3章「予期せぬ結果」

 2歳の男の子が死ぬ。原因は、汚染された肉で作ったハンバーガー。全米で、牛ひき肉が回収される。汚染は、ほうれんそうなど、野菜にも及ぶ。ブッシュ政権のころ、農務省長官は元・牛肉業界のロビイスト。元・全米食品加工協会の副会長は食品医薬局の局長だった。この図式は、いまも変わらない。エリック・シュローサーは言う。「監督するべき当の企業に支配されている。企業の言いなりだ」と。操業停止を命令できるケヴィン法は、未成立。個人より業界の利益を守るのは、日本もアメリカも同じだ。大腸菌感染は、いまなお、存在している。ハンバーガーのパテは、いま、アンモニアで殺菌されている。

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