恵比寿の街で映像祭り!「エビゾー」レポート

2011年 2月 19日 23:00 Category : Art

このエントリーをはてなブックマークに追加

 今年も恵比寿一帯が盛り上がる時期がやってきた。17日から開幕した「恵比寿映像祭」。本イベントでは毎年、さまざまな趣向を凝らして、映像・メディアアート・写真という媒体を通じて、見ること、感じることの問い掛けを行ってきた。今年のテーマは「デイ・ドリーム・ビリーバー!! ──映像の力」。映像を体験することとは、まさにデイドリーム(白昼夢)のようでもある。

 さて、あなたが見る夢は吉夢かはたまた眠れないような悪夢になるのか……、見どころをご紹介しよう。3階が展示の入り口となる。ロゴとオーバーラップして、リュミエールの「工場の出口」等の映像史に残る貴重な映像の断片が、オーガンジーの素材のスクリーンに投影されている。このゆらゆらとゆらめく映像が、デイドリーム(白昼夢)への導入となる。

 最初に観客を出迎えるのは、カンヌ国際映画祭で話題となった「ブンミおじさんの森」のタイ人監督・アピチャッポン・ウィーラセタクンの1999年のビデオ作品《窓 Windows》だ。

アピチャッポン・ウイーラセタクン《窓》 1999年/ヴィデオ、サイレント、カラー 協力:SCAI THE BATH HOUSE、東京/トモスズキジャパン、東京

アピチャッポン・ウイーラセタクン《窓》 1999年/ヴィデオ、サイレント、カラー 協力:SCAI THE BATH HOUSE、東京/トモスズキジャパン、東京

 映像作品を撮り始めた初期の作品で、ビデオカメラを手にした彼が映像を撮影しようとしたときに、何か対象を撮るよりも窓から入ってくる光が室内のテレビ画面に映り込んだ様子が美しいと感じたという。その後、ウィーラセタクン監督の映像には、蛍光灯や炎、街頭、「光」自体をテーマにしたものが多く登場する。

 オーストラリアで活動するダニエル・クルックス氏の映像作品。ある公園で太極拳をしている老人がいる、ゆっくりとしかし無駄のない美しい動きだ。すると老人の体がどんどんと引き伸ばされ左右に拡張していく。しかし、それは単に左右に伸ばされていくのではなく、その過程の動きをとらえ時空が曲がり空間に溶け込んでいくような。

ダニエル・クルックス《スタティック No.12(動きのなかに静寂を求む)》2010年/HD、ブルーレイ、サウンド、カラー/5分28秒 協力:アナ・シュワルツ・ギャラリー、シドニー

ダニエル・クルックス《スタティック No.12(動きのなかに静寂を求む)》2010年/HD、ブルーレイ、サウンド、カラー/5分28秒 協力:アナ・シュワルツ・ギャラリー、シドニー

 彼は自ら「タイムスライス」と呼ぶデジタル映像技術を用いて、映像の1フレームごとの縦軸のデータを横に引き伸ばしていく手法をとっているというが、ここまで滑らかな映像に仕上げるのは驚異的だ。彼の作品は映像だけではなく、スタティックなデジタル写真作品も展示されているが、それも興味深い。人はある瞬間を留めておきたくて写真技術を用いるのだろうが、彼は「動きそのもの」を可視化する。

 3階には、その他、ハロルド・ユージーン・エジャートン氏のストロボ撮影作品、タニア・ルイス・グティエレス氏の映像を用いた新しい試みのパブリックアート作品、ダヴィッド・クレルポ氏の一瞬という時間を全方位から見渡す映像が展示されている。

Related article

  • CIBONE青山に「草間彌生携帯」限定ショップ
    CIBONE青山に「草間彌生携帯」限定ショップ
  • ミラノサローネ2010、ムービー:吉岡徳仁「Stellar」
    ミラノサローネ2010、ムービー:吉岡徳仁「Stellar」
  • 今週末見るべき映画「アメリカン・スナイパー」
    今週末見るべき映画「アメリカン・スナイパー」
  • 「スティル ウォーター:岸と浜辺 ドゥニ ポルジュ」展
    「スティル ウォーター:岸と浜辺 ドゥニ ポルジュ」展
  • スウェーディッシュ・ファッションの現在
    スウェーディッシュ・ファッションの現在
  • アートフェア東京 2011が開催延期
    アートフェア東京 2011が開催延期

Prev & Next

Ranking

  • 1
    夏バテに効く、エジプト塩をつかったお料理4品
  • 2
    B&B ITALIA、夏のアウトドア家具新作
  • 3
    音降る部屋は心地よい、パイオニア「ACCO」
  • 4
    フォトギャラリー:デザインタイドトーキョー エクステンション
  • 5
    しあわせな人生の選択 【今週末見るべき映画】
  • 6
    タイム アンド スタイルの新作は「クラシカル」
  • 7
    オランダのデザイナー展「トレジャー・ハント:心を捉えるものは何?」
  • 8
    フリッツ・ハンセン ー次なる新作の製作をミラノで披露
  • 9
    アートの常識を覆した若者たち「ビューティフル・ルーザーズ」
  • 10
    東京デザイナーズウィークレポート

Excite ism :

このエントリーをはてなブックマークに追加