今週末見るべき映画「ザ・ホークス ハワード・ヒューズを売った男」

2011年 4月 29日 10:25 Category : Art

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 絵画をめぐる贋作事件は、興味が尽きない。フェルメールの贋作を、ナチスの高官ゲーリングに売ったのは、オランダの画家ハン・ファン・メーヘレン。トム・キーティングは、レンブラントやゴヤなどの贋作を3千枚近くも描いた。戦前の日本でも、写楽などの浮世絵を贋作した春峯庵事件があった。また、パリで、ピカソやマチス、藤田嗣治の贋作を描いた日本人もいた。

 画商フェルナン・ルグロが、エルミア・デ・ホーリーに描かせた贋作は数多く、ルグロ事件としてつとに有名である。戦後すぐから、ピカソ、マチス、ルノワール、モジリアニなどの贋作を描いていたエルミアは、ルグロの注文で、デュフィ、ロートレック、ヴァン・ドンゲン、ドラン、ブラマンクなどを続々と贋作した。日本でも、国立西洋美術館の購入したドランの「ロンドンの橋」、デュフィの「アンジュ湾」が贋作ではないかと問題になったことがあるが、これもエルミアの贋作であった。 このエルミアの伝記「贋作」を書いた作家がクリフォード・アーヴィングである。

 「ザ・ホークス ハワード・ヒューズを売った男」(ファインフィルムズ配給)は、リチャード・ギア扮するクリフォード・アーヴィングが、謎に包まれた大富豪ハワード・ヒューズの伝記の出版をネタに、出版社と世間を騙すという、史実に基づいた痛快な映画である。

 原作は、アーヴィング自身で、詐欺事件の顛末を書いた同名の「ザ・ホークス」。アーヴィングは、ヒューズからの伝記執筆の依頼をでっち上げ、しかも、ヒューズから、当時の大統領ニクソンの陣営への賄賂という事実を掴み、伝記に盛り込もうと画策する。これが、後のウォーターゲート事件につながっていく。

 絵画の贋作をめぐっては、イビサ島を舞台にして、オーソン・ウエルズが「オーソン・ウェルズのフェイク」で映画にしている。贋作画家エルミアや、作家アーヴィングが、実際に出演している。映画は、どこまでが真実で、どこまでがフェイクなのか、ウェルズらしい遊び心にあふれた傑作だ。映画のなかで、ヒューズについてウェルズは言及している。ヒューズの側近たちを「秘密警察」と。

 ヒューズの人となりについては、レオナルド・ディカプリオが、マーティン・スコセッシ監督の映画「アビエイター」で、その奇人変人ぶりを熱演、記憶に新しい。

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