黒と白、線と面、静と動 nendoの世界が広がる展覧会

2011年5月31日 12:41

 デザインチームのnendoといえば、ここ数年、ミラノでの数々の作品発表を始め、NYミュージアム・オブ・アーツ・アンド・デザイン、フリードマン・ベンダギャラリーやロンドンのサーチギャラリーといった大型会場で個展を開くなど、海外での活躍がめざましい。のだが、逆に日本国内での作品発表となると意外に数が少ないのが残念なところで、個展に限って言えば2005年秋に開催された「AMA-YADO LOUNGE」以来行われていない。

 現在、国内ではないものの台湾で大々的なnendoの個展が行われている。

 場所は台湾のほぼ真ん中、南投県の草屯にある「国立台湾工芸研究発展センター」。このセンターが主催し、ハイス・バッカー氏のアートディレクションの下、ミラノサローネで行われた「Yii」プロジェクトにnendoが参加したことがきっかけとなり、今回同センター内の工芸設計館リニューアル、新開館記念こけら落とし企画として開催された。
オープニングセレモニーで台湾工芸界名士の方々と並ぶnendoの佐藤オオキ氏。後ろに見える白い建物が開場の工芸設計館。

 nendoのエキシビション「thin black lines + dancing squares」は、地上3階、地下1階のうち、1階と地下1階の2フロアをフルに使った贅沢な空間。昨年10月ロンドンのサーチギャラリーで発表されたthin black linesと、今年1月シンガポールのアートステージで発表されたdancing squares、2つの家具シリーズを合わせ、新しい会場構成を作り上げている。

 黒く細いスチールを組み合わせて作られた「thin black lines」のシリーズ。床の木目は展示台に合わせて蛇行。

 1階はスケッチの黒い輪郭線をそのまま立体にしたような、thin black linesの展示。白い壁面をバックに見ているとまるで二次元に描かれた線に見えてくるのに、少しでも見ている者が動けば、視点が動き、違うフォルムを見せる。空中に浮いているように見えるテーブル、線の中に活けられた花。平面と立体を行き来する不思議な感覚である。

 「thin black linesは黒の線をベースにする静かな作品。床に木目のような、川の流れのようなラインを描き、展示空間は動きを持たせています」と佐藤氏は説明する。