スピーチレスな魅力、アンリ・サラ個展

2011年 10月 30日 00:00 Category : Art

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 1974年、アルバニアの首都、ティラナ生まれのアンリ・サラ。ベルリンを拠点に、ヴェネチア・ビエンナーレをはじめとした国際展への出品や、ポンピドゥー・センター、アート・インスティテュート・シカゴなど、名だたる美術館での個展、グループ展への参加も積極的に行うアーティストだ。現在、国内では大阪の国立国際美術館と東京・元麻布のカイカイキキ・ギャラリーでの個展が開催中、本記事ではカイカイキキ・ギャラリーの展示をレポートする。

【Tlatelolco Clash】HD video projection,Dolby Digital5.1 11min,49sec

【Tlatelolco Clash】HD video projection, Dolby Digital 5.1 11min, 49sec
Courtesy of kurimanzutto, Mexico City; Marian Goodman Gallery, New York; Hauser & Wirth, Zurich, London; Galerie Chantal Crousel, Paris; Kaikai Kiki Gallery

 カイカイキキ・ギャラリーを主催する村上隆氏と、アンリ・サラ氏の作品との出会いは、2008年のマイアミでのサラ氏の個展だった。そこで村上氏は“スピーチレス”、直感的に作品世界に入りこむことができたという。それはまさに、村上氏がアートの世界に身を置くことを決意した理由でもあったそうで、その時から「アンリ・サラの作品を日本でぜひ紹介したい」と思っていたという。カイカイキキ・ギャラリーでの個展は、まさに念願かなった企画なのだ。

 ギャラリーの広々としたスペースを巧みに使った個展は、入口横の「No Cry」(2011年)からスタートする。へこんだガラスに張り付いている手回しのオルゴール。これを来場者自身が回すことができる仕掛けになっている。オルゴールが奏でるのは、あのパンク・バンド、ザ・クラッシュの「Should I stay or should I go」。オルゴールバージョンでこの曲を聞いてみると、ちょっと歪んだような独特のサウンドが展開する。ガラスの奥では、同じ曲をモチーフに使った映像作品「Le Clash」(2010年)が投影されているため、シンクロして奏でてみようとするが、なかなかうまくいかない。ガラス越しに観る映像は不思議な味わいで、参加型作品としても印象深い仕掛けとなっている。

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