チャリティオークションレポート:KISS THE HEART#1

2012年 3月 7日 00:00 Category : Art

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 各作品については後藤氏から解説があったうえで、オークションがスタート。前半から早くもヒートアップを見せたのが、ロットナンバー2番、junaida氏の絵画作品だ。絵本や商業出版の挿絵、広告など幅広いジャンルで活躍中のjudaida氏は、現代アートギャラリーに所属しておらず、これまでほとんど作品の原画は販売してこなかった。しかし、人気は相当高く、彼が初めてアクリル絵具を使って描いた作品「イーハトーボの月灯」は、全体を通じても1、2を争う高値で落札された。

 オークションはさらに続いていく。ロットナンバー6番、小山登美夫ギャラリー所属の若手作家、桑久保徹氏の油彩画は今回のオークション内での最高価格で落札された。出品作品「家の絵」は彼自身のアトリエを描いているのだが、そこが水浸しになっているという作品だ。もともと桑久保氏の作品には海が描かれているものが多いのだが、3.11の震災を経て、日常の大切さを見つめ直す作品となっていた。桑久保氏の人気に加えて、時代を映しだす絵画として高い支持を集めた。

 オークションには一風変わった作品も出品されていた。真鍋大度&石橋素氏が出品したのは、なんと「3Dスキャンのプログラムを用いたポートレートのオーダーメイドの権利」だ。これは、都内にある作家のスタジオで実際に落札した本人の身体の3Dスキャンデータを取得、そのデータを元にロボットの工作機械などを使って、アルミの立体作品をつくってもらえるというもの。世界で一点しかない作品になることは間違いない上に、作家と一緒に作品の製作過程を体験できるところがおもしろい。

 オークションが始まって1時間半足らずで、すべての作品が落札された。熱気のこもった会場は、不思議と明るい雰囲気に包まれていた。チャリティオークションという意味合いもあるかもしれないが、お目当ての作品を首尾よく落札した人も、残念ながらそうでない人も、ひとときの高揚感を楽しんだようだった。

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