「コズミック・トラベラーズ ― 未知への旅」のアーティスト紹介

2012年 3月 28日 00:00 Category : Art

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 現在、表参道のエスパス ルイ・ヴィトン東京で開催中の展覧会「コズミック・トラベラーズ ― 未知への旅」。だんだんと日が伸びてくる季節になると、作品のテーマとなっている「光」は違った表情を見せているのではないだろうか。


作家について、キュレーターの西沢碧梨氏からの言葉を交えて紹介しよう。

 まずは、本展のメインの作品を手がける原口典之氏。原口氏は1946年、神奈川県横須賀市生まれの現代美術家である。原口氏は1970年に日大芸術学部卒業。在学中から「もの派」(土や木、石、鉄などの素材にほとんど手をくわえずに展示をする。それ以前までの日本の前衛美術に対抗して行われた美術運動である)の作家として頭角を現す。

(c) Louis Vuitton /Tadamasa Iguchi

 1977年にドイツはカッセルで開催された国際美術展ドクメンタ6に初めての日本人作家として選ばれ、世界から注目を集めた。その際に出品したのがオイル・プールの作品である。それは、廃油を床一面に敷き詰めた作品で、鈍く光る黒い油が周囲の人や景色をそのまま鏡像として写し出す、不思議な空間を作り上げた。当時は高度成長が終焉を迎え、オイルショックによって原油が高騰した時期。そんな中でこの作品が世界に与えた衝撃は大きかったことだろう。原口氏はその後も大量生産された工業製品や金属などの素材を用いた作品を作り続けた。私たちの記憶にも新しいのは、2009年にBankARTで開催された「原口典之─社会と物質」であろう。倉庫を改装した空間を3フロア用い、アルミや木の素材を用い原寸の飛行機を再現した「ファントム」、廃油のにおいが区間全体に漂った「オイル・プール」などのダイナミックな作品が展示された。


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