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今週末見るべき映画「ルート・アイリッシュ」

2012年 3月 30日 15:20 Category : Art

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 まことに骨太、ケン・ローチという映画作家の信念にあふれた映画である。
「ルート・アイリッシュ」(ロングライド配給)は、イギリスの民間兵として、イラク戦争に関わった男同士の友情を描くが、話はそこに留まらない。そもそも、イラク戦争は、アメリカのブッシュ政権が、イラクに存在しなかった大量破壊兵器が、さもあるようにみせかけての暴挙である。いろいろと大義名分があるようにいうが、冗談ではない。詳細が分かるにつれ、ブッシュ政権の、ひいてはアメリカのいい加減さが浮き彫りになる。

(C) Sixteen Films Ltd, Why Not Productions S.A., Wild BunchS.A.,France 2
Cinéma, Urania Pictures, Les Films du Fleuve,Tornasol Films S.A, Alta
Producción S.L.U.MMX

 アメリカのブッシュたちは、イギリスのブレアたちを巻き込んで、勝手にイラクに侵攻、現在のオバマ政権が、やむなく終結宣言をした。まったく無意味な戦争で、勝利もなければ、平和もない。武器商人たちは大儲けだったかも知れないが、多くの人が死んでいった。ことに、一般のイラクの人たちが。イギリスは、戦争請負の人材派遣会社を通して、多くの民間兵を送り込む。貧しい階級の人たちが、高い賃金と引き換えに、イラクに向かう。

 2011年12月のオバマ大統領による「イラク戦争終結宣言」に、ケン・ローチはコメントする。「真のイラク戦争終結は、すべての戦争請負業者たちが、あの地から去ってからはじめてなされると我々は信じている」と。ケン・ローチは、表現したいこと、伝えなればならないテーマを、妥協せず、映画にする作家のひとりと思う。その作品群は、風格があり、説得力に富む。どの映画もハズレはないが、ことに好きなのが、1995年に撮った「大地と自由」だ。イギリスの老人デヴィッドが死ぬ。孫娘に残された古びたトランクから、色褪せた写真、古い新聞記事や手紙が出てくる。スペイン内戦で、国際義勇軍として戦ったデヴィッドの青春が、鮮やかに浮かび上がる。

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