今週末見るべき映画「バレエに生きる ~パリ・オペラ座のふたり~」

2012年 9月 7日 12:00 Category : Art

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 バレエがどういうものか、まったく知らない昔、「赤い靴」というイギリス映画を見た。初めて覚えた女優の名前が、モイラ・シアラーだった。モイラ・シアラーはバレリーナで、当時のサドラーズ・ウェルズ・バレエ団、いまのロイヤル・バレエ団に所属していた。「赤い靴」で踊るモイラ・シアラーに、釘付けになった。以来、ことさら、バレエが好きという訳ではないが、ジャンルを問わず、人の踊るのを見るのが、好きである。バレエはもちろん、能、日本舞踊、歌舞伎、京劇、タンゴ、サンバ、ルンバ、フラメンコ、盆踊り・・・。とにかく、人が踊るのを見るのが好きだ。

 だから、映画でも、バレエやダンスを扱った作品を、優先的に見てしまう。このほど、「バレエに生きる」(アルシネテラン配給)、サブタイトルが「パリ・オペラ座のふたり」というドキュメント映画を見た。監督は、主にバレエのドキュメントを手掛けているマレーネ・イヨネスコ。バレエへの愛に満ちあふれた編集ぶり。

 パリ・オペラ座といえば、2000年のフランス映画「エトワール」がある。オペラ座の公演や、リハーサル、レッスン、ダンサーたちのインタビューやコメントからなるドキュメントだった。アメリカのフレデリック・ワイズマンは、2009年に「パリ・オペラ座のすべて」を撮っている。ワイズマンは、84日間もオペラ座を密着取材する。スタッフの経営会議や広報活動、資金集め、ダンサーとの賃金交渉まで、ワイズマンらしい視点のドキュメントだった。

 本作「バレエに生きる」は、1951年からオペラ座の振付を担当したピエール・ラコットと、オペラ座のエトワール(「星」という意味の、オペラ座ダンサーの最高位)だったギレーヌ・テスマーの夫妻が、古い歴史を誇るオペラ座の、ここ60年ほどの歴史と、それぞれのバレエ人生を振り返る。当然、有名なダンサーたちが、相次いで登場する。4年ほど前に、バレエ・リュス(ロシア・バレエ団)のドキュメント映画「バレエ・リュス 踊る歓び、生きる歓び」を見た。セルジュ・ディアギレフが率いたバレエ・リュスが、パリで大成功を収めたのが1909年。いわば現代バレエの基礎を気づいたグループだ。映画の中で、イギリスの名ダンサー、デイム・アリシア・マルコワが、「報酬はわずかだが、踊れる、このデザイナーと仕事が出来る。それが財産。何てリッチかしら」と言う。本作でも、ピエールとギレーヌ夫妻は、何度も何度も、形を変えて、バレエへの「愛」を語る。

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