「世界は大きな彫刻である」エスパス ルイ・ヴィトン東京でエルネスト・ネト展が開催中

2012年 10月 12日 00:00 Category : Art

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 エキシビション会場に向かうエレベーターを降り、展示会場に一歩足を踏み入れると、日差しが降り注ぐ、天空に浮かんだかのような、壁面いっぱいのガラス張りの箱のような異空間にまず驚く。その空間を床から天井まで満たすかのように、ネトの作品が大小4点点在する。まず目の前に広がるのが、天井に組まれたやぐらから無数の編み紐で吊り下げられた本エキシビションの中心的作品である『A vida é um corpo do qual fazemos parte(われわれは生という体の一部)』だ。

 オレンジや黄色、グリーンなどの複数の色の糸が無数に交差し編み込まれたポリエステルとポリエチレン製の紐と、プラスチック製の中空のボールとで構成されたこの作品の外観は、宙に浮かび横たわるドラゴンにも、そのカラフルな色により、海底に漂うイソギンチャクのようにもみえなくもない。触れるとゆらゆらと揺れる、柔らかな素材でできたこの巨大な構造物は、ネト自身によって構想され構築されるという点において、ネトが言うところの、「世界は全てが大きな彫刻である」という言葉を体現するような作品となっている。

 その横には、同じカラフルな紐とプラスチックボールとで構成された、軟体動物が連結したような細長いボール状のオブジェが、あたかもそこに座ってくださいと言わんばかりに置かれている。いざなわれるようにその作品に腰掛けてみると、仕込まれた宙空のプラスチックボールのおかげで、ソフトな感触が座り心地のよいベンチ、あるいはスツールのようなオブジェであった。

 これまでもネトは、地球上において宿命的な重力と親和性をもった作品を連続的に発表してきた。今回のような宙空に浮かした巨大彫刻作品はもちろん、重力に対峙するかのように、上下に力がみなぎった列柱作品や、軽やかなで柔らかな素材で身体をつつみこみ、重力にとらわれた存在である人間から重力を解き放つような作品まで、重力とのコラボレーション、あるいは関わりは、ネトの作品において本質的なテーマといえるだろう。

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