「世界は大きな彫刻である」エスパス ルイ・ヴィトン東京でエルネスト・ネト展が開催中

2012年 10月 12日 00:00 Category : Art

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 本エキシビションのタイトルである『Madness is part of Life』は、現代社会における政治的な正しさや、工業化における巨大な生産性が、この世界の狂気を隠蔽してしまっている状況を指しているという。本当の「正しさ」とはなんなのか、このような社会においてはむしろ「狂気」こそが私たちの中や周囲に宿る情熱そのものかもしれないのではないか、とこれらの作品でネトは現代社会に対して、異議申し立てをする。この社会の「正しさ」といわれるものを批評的に乗り越える手段こそが、ここでいう狂気であり、この空間で我々が体験する動物性である。

 1989年に鉛と紐で制作した『Prumo(下げ振り)』と『Peso(おもり)』を想起させる、と自身で語るところの作品である『TorusMacroCopula(トルスマクロボールト)』は、天井から吊るされた紐群が、宙空で一旦力を集約し、再び地表近くで躍動感のある泉のようなかたちの塊になる、象徴的な作品。そして同じかぎ針編みの伸縮性のあるネットとプラスチックボールを用いた、壁に据え付けられた『Linhas pontos e patas(線、点と脚)』と、『Pedras(石群)』といったインスタレーション作品が会場に並ぶ。

 本展ではネトの作品に加え、エスパス ルイ・ヴィトン東京の新しいエキシビションフォーマットMentoring young Artists(若手アーティストのメンタリング)にもとづいたネトのキュレーションによる、ブラジルの若手アーティストの作品も紹介される。ルイ・ヴィトン表参道 ショップ一階フロア正面での展示となる、彼の弟子でも1973年生まれの新進気鋭のブラジル人ビデオアーティスト、エヴァンドロ・マシャード作の、セミフィクションによるモノクロームのアニメーション作品上映がそれだ。そちらにもぜひ注目していただきたい。

©Louis Vuitton / Jérémie Souteyrat
Courtesy of Espace Louis Vuitton Tokyo

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