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「私たちは関係性のなかで生きている」エルネスト・ネト インタビュー

2012年 10月 29日 00:00 Category : Art

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―もうひとつうかがってもよいですか。ネトさんの作品には身体的なものと同時に、崇高で神聖なもの、神話的なモチーフも感じるのですが、人間が築いてきた文化や、時間を超越したものへの興味はありますか?

人間は考える能力をもっています。身の回りの日々の出来事に思いを巡らすと同時に、世界や宇宙など、手に届き難いものに思いを巡らすことはとても重要です。それがミクロとマクロに同じように思いを馳せることでもあるでしょう。それが崇高なものや神聖なものへの志向も同時にもたらすのだと思います。ただ、これは私の考えですが、人間は私たちの社会が人間的なものといっているものよりももっと本質的な、動物的な感覚こそが重要なのではないかと思うのです。人間はあまりにも知性を使い過ぎて、社会がどのようにものを見ているのかといったことに執着しすぎているように私は思うのです。存在の一番深いところというのは、宇宙のような遠くではなく、私たちが想像する以上に、私たちの身近にあると私は思っています。

―私たちもこの彫刻を体験することで動物的な感覚を呼び覚まされたように思いました。来場される皆さんにメッセージをお願いします。

自分の身体性を大切にしてください。そしてその身体を通して、あなたの感覚をとぎ澄ましてください。答えは自分のなかにあります。自分のなかにそれを探してください。あなたが探し求めている美しさや美というものは自分のなかにあります。あなたの匂い、あなたが発するもののすべてがあなたの美であります。自分を愛してください、人生を愛してください。小さいところにも目をむけてください。そこにこそ本当のあなたがあらわれています。それを大切にしてください。

この彫刻は、私の身体のなかから生まれてきたものですが、実際の彫刻をつくった多くの人々の思いから生まれたものでもあります。これをつくり上げたのは多くの人々の指です。これを作り上げたのは、多くの集中力と、多くの時間です。私たちはその多くの人々の指にぶら下がっていることを忘れないでください。

 

エルネスト・ネト(Ernesto Neto)
1964年 ブラジル リオデジャネイロ生まれ。リオにあるパルケ・ラージ視覚芸術学校、リオデジャネイロ近代美術館で学ぶ。1988年  Petit Galerieで初の個展を行なって以降、1992年にサンパウロ近代美術館、1994年サンパウロのGaleria Camargo Vilacaなどで毎年個展を開催。1996年にシカゴのZolla-Lieberman Galleryで開催した個展をきっかけに、世界的なギャラリーや美術館で作品が展示されるようになる。2001年にはブラジルを代表して第49回ヴェネツィア・ビエンナーレのメイン会場「人類の大地」とブラジル・パビリオンに出展。現在作品は世界中の美術館やアート・センターに収蔵されている。

『Madness is part of Life』
2012年9月29日(土)~2013年1月6日(日)
Open.12:00‐20:00、無休、入場無料
東京都渋谷区神宮前5-7-5 ルイ・ヴィトン 表参道ビル7階
お問い合わせ:tel.03-5766-1094

取材/加藤孝司 撮影/永留新矢

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