注目の「特別招待作品」~第13回東京フィルメックス~

2012年 10月 23日 12:00 Category : Art

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 11月23日(金)に開幕する第13回東京フィルメックスの特別招待作品は、話題作、注目作がズラリ。映画ファンにとっては、たまらない日々になりそう。全部で14本、どれも見たい映画ばかり。

 オープニング作品は、カンヌ、ヴェネチア、ベルリンの三大映画祭を賑わしている韓国のホン・サンス監督の最新作「3人のアンヌ」で、今年のカンヌ映画祭で上映された。主演のイザベル・ユペールが、3人の異なる女性を、見事に演じ分ける。今回の東京フィルメックスの開幕に先がけて、11月10日(土)より、「ホン・サンス/恋愛についての4つの考察」と題した、ホン・サンスの近作4本が公開される。「よく知りもしないくせに」、「ハハハ」、「教授とわたし、そして映画」、「次の朝は他人」の4本だ。すべての映画に、映画監督が登場する。映画監督たちは、酒を飲み、女を口説く。恋愛にまつわる男女の、揺れ動く微妙な心理や生理を描いて、軽妙だ。アジアの映画というより、ヨーロッパ映画のような映像感覚、構成、作劇法で、フランスでの大評判は頷ける。ウィットに富んだ洒脱なセリフの応酬に、驚き、苦笑しながら、恋の行方を見つめることになる。「3人のアンヌ」を見る前に、あらかじめ、この4本を見ると、ホン・サンスの個性、作家性を、より深く理解できるはずである。

作品:「3人のアンヌ」

 最終日は12月2日(日)だが、12月1日(土)の授賞式に続いてクロージング作品として閉幕を飾るのは、イラン、トルコの合作になる「サイの季節」。監督はバフマン・ゴバディ。30年にわたる獄中生活から解放されたクルド系イラン人の詩人が、妻の行方を探す。詩人に扮するのは、アメリカに亡命したベヘルーズ・ヴスーギ。妻役が、なんとモニカ・ベルッチ。オープニング作品、クロージング作品とも、異国の著名女優を起用しての話題作だ。

作品:「サイの季節」

 超目玉作品として、すでに大きな話題を呼んでいるのが、「ギマランイス歴史地区(仮題)」だ。ギマランイスは、ポルトガルの北西部に位置し、初代国王のアフォンソ1世の生誕の地で、世界遺産に指定されたポルトガルの古都だ。このギマランイス歴史地区をテーマに、ヨーロッパを代表する4人の監督が、それぞれの角度、切り口から描いたオムニバス映画である。監督の名前に驚く。近作「ル・アーヴルの靴みがき」(本サイト「今週末見るべき映画」で紹介)で健在ぶりを示したアキ・カウリスマキ。「ヴァンダの部屋」や「コロッサル・ユース」で、日本の観客を魅了したペドロ・コスタ。溝口健二を私淑、寡作ながら「エル・スール」や「マルメロの陽光」などを撮ったビクトル・エリセ。そして、100歳を超えてなお、映画を撮り続けているマノエル・ド・オリヴェイラの4人だ。タイトルから、その内容を想像するだけで、うきうきするはずだ。アキ・カウリスマキは「バーテンダー」(13分)、ペドロ・コスタは「命の嘆き」(30分)、ビクトル・エリセは「割れたガラス」(36分)、マノエル・ド・オリヴェイラは「征服者、征服さる」(10分)。個性溢れる監督たちが、ポルトガルの古都ギマランイスをどのように描くか、期待と興味が尽きない。

作品:「ギマランイス歴史地区(原題)」

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