人と土地のエネルギーを享受する別府の温泉×アート「混浴温泉世界2012」

2012年 11月 14日 12:00 Category : Art

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 別府と言えば日本一の温泉数を誇る誰もが知ってる温泉地。そんな大地のエネルギー溢れる別府で、3年に1度のアートフェスティバル「混浴温泉世界2012」が開催中だ。今回で2回目となるフェスティバル、総合プロデューサーは山出淳也氏、総合ディレクターは芹沢高志氏、パフォーマンスのキュレーションは佐東範一氏、アートのキュレーションを住友文彦氏が担当した。

 今回に限った展覧会コンセプトは掲げておらず、第1回目同様、温泉──年齢・性別・国籍・宗教、社会的衣服を必要としない時間を共有できる場所、かりそめのユートピアを別府の町に浮かび上がらせることを主眼に、アート、パフォーマンス、音楽等々ジャンルを催しが行なわれている。

 混浴温泉世界は、別府八湯にちなんだ8つのプロジェクトで構成される。現代美術からは、クリスチャン・マークレー、シルバ・グプタ、アン・ヴェロニカ・ヤンセンズ、小沢剛氏、チウ・ジージェジージェ、廣瀬智央氏。パフォーマンスでは、東野祥子氏、大友良英氏、黒田育世氏。建築からは、みかんぐみらが参加。別府の町を中心に、アーティストたちが別府の町を歩いたり、リサーチをしたりしながら、興味を持った場所にちなんだ作品を展開している。作品を巡ることで、別府の町の新しい魅力に気付く。作品のみを体験するのではなく、その場所ならではの楽しみ方ができる。いくつか作品を見ていこう。

 写真はクリスチャン・マークレー本人と作品『火と水』(2012)。別府市餅ヶ浜桟橋という風の強い場所を選び、火と水のイメージがプリントされ、布の裾に鈴が取り付けられた100本ののぼりが風ではためくインスタレーションで、別府の大地のエネルギーを表現。マークレーは日本に初めて来日した際にのぼり旗を見て、興味を覚えていたのだという。インスタレーション空間を歩いていると、自分が立つ位置によって、聞こえてくる音と火と水の見え方が異なる。もちろんその日の天候によっても見え方が変わる。

 地獄めぐり温泉で有名な鉄輪地区に作品を展示したのは、中国人アーティストのチウ・ジージェ。『そうして物事は日夜流れていく』(2012)と題された作品は、高さ11メートルもの竹の細工が滝のように天から垂れ下がり、その中に人の顔のような細工が連続して配されている。ちょっと不気味な作品だ。その巨大な竹は、常に温泉の蒸気に晒されている。この作品の他、古代ローマの柱を模した竹細工の作品などが、温泉地区に点在。西洋の物質文明について疑問を投げ掛けた。


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