今週末見るべき映画「裏切りの戦場 葬られた誓い」

2012年 11月 23日 08:00 Category : Art

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 ある程度、お金と時間をかけて撮った映画は、たいていは優れていると思う。もっとも、たくさんのお金をかけても、つまらない映画は多いけれど。じっくりと時間をかけて、多くの関係者に取材し、何度も何度も脚本を書き直し、腰を据えて撮った映画は、テーマやメッセージが明確、人物がきちん描かれて、やはり面白い。

 このほど公開されるフランス映画「裏切りの戦場 葬られた誓い」(彩プロ配給)は、そのいい例だろう。製作、監督、脚本、編集、主演はマチュー・カソヴィッツ。1995年に「憎しみ」を監督、これはフランスで大ヒット、カンヌ映画祭では監督賞を受賞した。俳優でもある。「フィフス・エレメント」、「聖なる嘘つき/その名はジェイコブ」や「アメリ」などに出演、最近作の「エージェント・マロリー」では、意外なところで、ちょいと顔を出している。監督作では、ややホラー仕立てのミステリー「クリムゾン・リバー」や、「ゴシカ」などを撮っている。

 本作「裏切りの戦場 葬られた誓い」の原作は、フランスの国家憲兵隊のリーダーだったフィリップ・ルゴルジュが、1992年に書いた手記「モラルと行動」だ。フィリップ・ルゴルジュは、1988年4月、フランス領のニューカレドニアの東、ウヴェア島で起こったフランスの憲兵殺害、誘拐事件を収拾するべく、現場に向かう。ちょうど、フランスでは、大統領選の真っ最中。現職の社会党のフランソワ・ミッテランと、共和国連合のジャック・シラク首相が、大統領の椅子を争っていた。事件とは、フランスからの独立を目指す先住民のカナック族の一派が、ウヴェア島にあるフランス憲兵隊の宿舎を襲い、4名を死亡させ、検事代理ほか30名を誘拐したというものだった。フィリップ・ルゴルジュは、その顛末を記した手記を、1990年に発表する。1998年、マチュー・カソヴィッツは、人権連盟の発表したウヴェア事件の報告書を読み、映画化を決意する。


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