自然とともにあるフィンランドテキスタイルの魅力に触れる フィンランドテキスタイルアート。季節が織りなす光と影

2013年 2月 22日 11:30 Category : Art

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 フィンランドテキスタイルアート展では、宝物殿と境内に、歴史あるフィンランドテキスタイルのなかから、自然との関わりを思わせるテキスタイルを中心に展示している。自然と寄り添うように暮らすという、日本人が古来よりもつ自然観と共通する、フィンランドデザインがそのバックグラウンドにもつ自然というものが、美しいテキスタイルを通じてより身近に感じることのできる展示内容となっている。

 空間構成はインテリアデザイナー小林恭と小林マナによる『ima』が手がけている。imaは国内外のマリメッコのショップのデザインなどの仕事で世界的に活躍するインテリアデザイナーユニット。今回imaは太宰府天満宮の歴史を参照しながら、宝物殿の歴史的収蔵品と、フィンランドモダンデザインから生まれたテキスタイルを、絶妙に調和させて展示させている。 なかでも会場エントランスに伏した牛の彫像とともに展示されたテキスタイルは、太宰府天満宮とその御祭神道真公の物語とにおいて縁深いものだ。

 太宰府天満宮には鹿、鶯、牛など多くの動物が奉納されているが、菅原道真公にもっともゆかりの深い動物として知られるのが牛である。境内にはさまざまな姿勢で休む11頭の牛たちの彫像がある。そのすべての牛が伏しているのは、道真公の亡骸をのせた牛車が、当時の四堂のほとりで止まって動かなくなった逸話に由来している。フィンランドテキスタイルとともに展示されている牛は、宝物殿のこの場所に常設されている、境内の11頭の牛のうち、一番新しくつくられた一頭。その背には太宰府天満宮の神紋である梅の刺繍がほどこされた橙色の布がかけられている。その牛の後ろに牛をモチーフとした鮮やかなオレンジ色のテキスタイルが展示されている。太宰府の歴史と、洗練されたフィンランドテキスタイルの歴史とが出会った、本展でも強い印象を残す、とてもドラマチックな演出をもった展示作品といえるだろう。

©Taro Misako

 本展は、宝物殿と境内の屋内と屋外というまったく異なる空間で、フィンランド生まれのテキスタイルが展示されている。宝物殿の展示では寒いフィンランドの冬の影をイメージした作品を中心に、陰影深いテキスタイル作品を展示。屋外展示が中心となる境内での展示では、ポップで明るい色めをもつテキスタイル作品を選んで展示しているという。

©Taro Misako

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