自然とともにあるフィンランドテキスタイルの魅力に触れる フィンランドテキスタイルアート。季節が織りなす光と影

2013年 2月 22日 11:30 Category : Art

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 フィンランドをはじめ北欧の人びとは、長く厳しい冬の寒い時期を、室内で楽しくすごす知恵を、創意豊かに絞ってきた。その暮らしのなかでの知恵や、工夫のあらわれが現代にもみられる北欧生まれのデザインの数々である。なかでもテキスタイルデザインは、食卓や、窓辺を明るく彩るものとして、北欧の国々の独自の文化や、自然の風景を色濃く反映させながら進化してきた歴史をもつ。森の緑豊かな景色や、薄暗くどこまでも続く森。そして陰影の深い水をたたえた物憂げな湖の表情。それら北欧の国々に固有の風景がフィンランドテキスタイルデザインに反映されてきたことは間違いがない。太宰府天満宮の環境も、樹々の生い茂る森と池のある、小さな自然と例えることができるだろう。北欧の国々の大自然と、太宰府天満宮の風景は、自然というモチーフにおいてつながっているのだ。

 石本藤雄の「Kuiskaus(ささやき声)」(マリメッコ 1981年)が敷き詰められ展示されたコーナーでは、フィンランドのテキスタイルと、太宰府天満宮創建当時から現代までの日本の美術工芸品とのコラボレーション展示をみることができる。石本がデザインした淡い水墨画のような黒で、ところどころかすれた濃淡で描かれたテキスタイル。それを川の流れのように見立て、さらに時の流れに見立てたたものに、宝物殿の収蔵品を取り合わせた展示手法は、一幅の絵巻物をみるような、味わい深いものがある。

 また向かいあった展示コーナーの、白八藤丸文の奴袴(さしぬき)、紅綾横菱繁文の単(ひとえ)、輪無唐草文の袍(ほう)などの神社の装束を、ファブリックと見立てた展示も見応えがある。フィンランドのテキスタイルと、日本の織物。その双方には、東と西、時代の違いを超えて、丁寧な手仕事、自然がもつつつましさに通じる表現など、共通する点が多いことに気づかされる。


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