30年ぶりの大規模な「フランシス・ベーコン展」

2013年 3月 29日 17:30 Category : Art

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 ロンドンを拠点に世界的に活躍した画家、フランシス・ベーコンの30年ぶりの大規模な個展が東京国立近代美術館で開催中だ。1992年に82歳で亡くなったベーコンの個展は、日本では、生前の1983年に東京国立近代美術館をはじめとする3館での回顧展以降、行われてこなかった。国内にあるベーコンの作品は5点だけということもあり、図版でしか見たことがなかったという人も多いのでは。

 今回の「フランシス・ベーコン展」は没後20年を記念した回顧であると同時に、ベーコンにとって最も重要なテーマだった「身体」に着目した、日本オリジナルの企画展となる。イギリス、ドイツ、アメリカ、台湾、オーストラリア、ベルギーなど世界各地から作品が集められ、ベーコン没後の大規模な個展としてはアジア初となった。

《叫ぶ教皇の頭部のための習作》
1952年 イエール・ブリティッシュ・アート・センター©The Estate of Francis Bacon. All rights reserved. DACS 2013 Z0012

 真っ暗な空間に浮かび上がる、大きな口を開けて叫ぶ人間の顔。ベーコンはベラスケスの「教皇インノケンティウス十世の肖像」(1650年)から着想を得て、多数の作品を残した。この展覧会でも習作が並んでおり、描かれた年代や設定の違いをじっくりと見比べることができる。作品の中で繰り返し反復される叫びの表情は、セルゲイ・エイゼンシュテインの映画『戦艦ポチョムキン』(1925年公開)の虐殺シーンでの乳母の表情が重ねられているそうだ。ベーコンのアトリエには『戦艦ポチョムキン』のスチール写真の掲載された書籍の切り抜きが残されていたという。

《ファン・ゴッホの肖像の為の習作 Ⅴ》
1957年 ハーシュホーン美術館 Photograph by Lee Stalsworth ©The Estate of Francis Bacon. All rights reserved. DACS 2013 Z0012

 ベーコンが「偉大なヒーロー」と称える画家、フィンセント・ファン・ゴッホ。今回の展覧会では、「ファン・ゴッホの肖像のための習作」が2点公開されている。ゴッホの作品に着想を得ているためか、華やかな色彩で絵具を厚く塗り重ねていることが見て取れる。この作品以外にも、ベーコンはゴッホの作品をもとにした絵画を数点制作している。

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