今週末見るべき映画「3人のアンヌ」

2013年 6月 14日 08:00 Category : Art

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 昨年、たまたまホン・サンス監督の映画を4本、立て続けに見た。「よく知りもしないくせに」、「ハハハ」、「教授とわたし、そして映画」、「次の朝は他人」である。韓国の映画なのに、どこかヨーロッパ映画のようなたたずまい。どれにも映画の監督が登場し、仲間や関係者、知り合った人たちと酒を呑む。ほとんどの人がたばこを吸う。そして、再会や出会い、別れがあり、色恋沙汰が絡む。似たようなシーンがたびたび出るが、微妙に異なる。いずれも飄々として軽妙。そして、昨年秋の東京フィルメックスで見たのが、このほど公開になる「3人のアンヌ」(ビターズ・エンド配給)で、これまた軽妙。

 フランスの女優、イザベル・ユペールが主演、3つのエピソードで、アンヌという名前で、有名な映画監督、不倫中の人妻、離婚したばかりの女性と、異なる3つの役を演じる。

 借金取りから逃れたらしい母娘は、韓国のモハンという、海に面したリゾート地にいる。映画学校に通う娘は、フランス人女性とライフガードの韓国男性が出会うシナリオを書き始める。

 イザベル・ユペール扮するアンヌは、韓国の言葉は話せない。韓国の人たちとは、主に英語で話す。英語の分からない人とは、全く、コミュニケーション出来ない。アンヌは、英会話ではそこそこの会話力だが、程度の差こそあれ、韓国の人たちの英語は、微妙な言い回しを駆使できるほどではない。いろんなシーンで、コミュニケーションを取りたいのに取れないという状況が現れる。この会話のズレ、不毛さ加減が絶妙で、3つの話を牽引していく。

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