今週末見るべき映画「25年目の弦楽四重奏」

2013年 7月 4日 12:00 Category : Art

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 クラシック音楽ファンに、無条件、おすすめの映画が「25年目の弦楽四重奏」(角川映画配給)だ。クラシック音楽はいまいちという人でも、ご覧になれば、へえ、音楽は面白いものだなあ、と頷かれることを保証する。それだけではない。本作は、4人の音楽家と、音楽家を目指す若い女性の計5人の男女の、愛憎相半ばする人間ドラマで、一般の映画好きをも唸らせる。

 ベートーヴェンは、数多くの傑作を作った。編成、曲想、構成などなど、すべて、似たようなものがない。壮大な管弦楽曲からオペラ、ミサ曲、室内楽、パガテルなどの小品に至るまで、変幻自在の傑作揃いである。本作に通底する音楽は、晩年の傑作、弦楽四重奏曲第14番嬰ハ短調である。かのシューベルトをして「この曲の後で、我々は何を書けるか?」と言わしめた。そして、詩人のT・S・エリオットがいちばん愛した曲でもある。

 いろんな名手たちが、多くのレコード録音を残している。手元にあるのは、チェコのスメタナ四重奏団のCD。約40分、7つの楽章が連続して演奏される。静謐から徐々に激しく、作曲者の波乱の晩年を思わせる。イライラしている時に聴くと、前半25分ほどで、気分がおさまり、後半で、俄然、襟をただし、やる気が出てくる。

 映画は、架空のフーガ弦楽四重奏団が登場する。第1ヴァイオリンのダニエル役にマーク・イヴァニール、第2ヴァイオリンのロバート役にフィリップ・シーモア・ホフマン、ヴィオラのジュリエット役にキャサリン・キーナー、そして、チェロのピーター役にクリストファー・ウォーケンが扮する。4人とも芸達者である。楽器の扱いなどはまったく自然。弦楽四重奏における各楽器の役割が、4人の演じる役柄と見事にリンクしているかのようだ。自ら、共同で脚本を書いたヤーロン・ジルバーマンの演出は、鋭く、キレがあり、観客を引きつける。監督2作目とは思えないほど。

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