今週末見るべき映画「クロワッサンで朝食を」

2013年 7月 19日 12:00 Category : Art

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どこかで、聞いたことのあるようなタイトルである。原題は「パリのエストニア女性」。ニューヨークのティファニー宝石店ではなく、舞台はパリ。主演のジャンヌ・モローは、ココ・シャネル定番のアクセサリでいっぱいの衣装で登場する。邦題「クロワッサンで朝食を」(セテラ・インターナショナル配給)を見た。ジャンヌ・モローは、1928年生まれだから、もう85歳。1957年のルイ・マル監督「死刑台のエレベーター」以来、ずっとごひいきの女優さんだ。


ジャンヌ・モロー扮するフリーダは、エストニア出身で、今は、パリの瀟洒なアパルトマンに住んでいる。舞台俳優に憧れ、パリに来て以来、多くの男性と浮き名を流し、金持ちと結婚したが死別、いまは、その遺産を継いでいる。フリーダは、勝ち気で、わがまま、頑固、意地の悪い性格で、ほぼ孤立した日々を送っている。

フリーダには、身辺の世話をする中年男のステファンがいる。かつての愛人のひとりで、いまはフリーダの資金で、カフェを経営している。フリーダの性格からか、家政婦がなかなか居つかない。そこに、エストニアに住む50代女性のアンヌが、採用される。アンヌには、2年ほど、介護を続けている母親がいる。母親が死ぬ。アンヌは、かつて勤めていた老人ホームの紹介で、フリーダの家政婦の仕事を引き受ける。アンヌもまた、パリへの憧れを持ち続けていた。

結構、テーマは、「老い」かもしれないが、かつて、そして今も、本作は、エストニアの人たちの、フランス、パリへの憧れに満ちて、なによりもエストニアの人たちの誇りにあふれている。帝政ロシアに、ソビエトに、ナチス・ドイツに、再びソビエトに侵略されながらも、自らの言語、文化を守り、貫いた国である。単に、どの国にでも見られる「老い」を扱っただけの映画ではない。エストニアからフランス、パリ、でなければならない。


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