今週末見るべき映画「ニューヨーク、恋人たちの2日間」

2013年 7月 25日 12:00 Category : Art

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タイトルの「ニューヨーク、恋人たちの2日間」(アルバトロス・フィルム配給)からは、アメリカ映画と思ってしまうが、フランス、ドイツ、ベルギーの合作になるフランス映画である。

舞台はニューヨーク。幼い息子がいるフランス人の女性写真家マリオン・デュプレと、2度の離婚歴があり、やはり子持ちで、ラジオの人気DJの黒人ミンガスが、それぞれの子供と4人で同居している。マリオンの写真展が、明日、オープニングを迎える。そこに、パリから、マリオンの父親、妹、妹の恋人の3人がニューヨークにやってくる。妹の恋人は、マリオンの元カレである。4人家族に3人のフランス人が過ごすニューヨークの2日間が、ドタバタ喜劇ふうに、下ネタを満載し、言葉のギャップによる爆笑を誘いつつ、キメ細やかに描かれる。ニューヨークに来たフランス人の言動がおだやかであるわけがない。

映画は、ラブ・コメディの枠を超えている。フランスとアメリカの風俗や生活習慣、家族や仕事、育児、セックスなどの考え方の相違が、鮮やかに浮かびあがる。個性豊かなフランス人が加わることで、カップル、親子、姉妹のあいだに、摩擦、すれ違い、誤解、曲解が生じる。いったい、ドラマの行方がどうなるか、どこでどう決着が着くのかを、見続けることになる。


下ネタが続出する。いきなり、クンニやフェラである。パリ生まれパリ育ちのマリオンは、ミンガスと同居する前、フェラが得意とか、もう1年もセックスをしていないとか、失禁症で収縮のトレーニングをしているとか、平気でミンガスに話す。マリオンが、自分の姓を、ドアホンの修理屋に電話で告げるシーンでは、Dはディック(男性器)のD、Uは子宮のU、PはペニスのPと言ったりする。さりとて、いやらしさは微塵も感じないのは、自然に、さりげなく語られるからだろう。

大笑いの下ネタ、フランス語と英語の相違から生じるギャグ、「地獄の黙示録」や「イージー・ライダー」の映画ネタ・ジョークが飛び交う。フランス語と英語が入り交じるから、当然、誤解、誤訳が、笑いのもととなる。そこに、家族や仕事、さまざまな形の愛のありようなど、多くのテーマが錯綜する。そして、ドラマは急展開する。鮮やかである。古今東西、さまざまな形で表現されている「愛」について、すてきな答えを提出する。きっかけは、マリオンの写真展で、自分の「魂」を売りに出したことだが、深い意味をもって、見る者に迫ってくる。


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