今週末見るべき映画「メキシカン・スーツケース」

2013年 8月 22日 12:00 Category : Art

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【Story】
土を掘る。内戦で死んだ祖父の遺骨を、戦闘のあった地で、探している女性がいる。スペイン内戦から数十年、歴史は封印されてきた。次世代の問いかけで、痛ましい秘密が暴かれつつある。

本作の監督、トリーシャ・ジフとICP(国際写真センター)は、2007年に”メキシカン・スーツケース”を取り戻す。中に入っていたスペイン内戦の写真の撮影者は、ロバート・キャパ、デビッド・シーモア”シム”、キャパの恋人だったゲルダ・タロー。多くが未発表だった4500枚以上のネガは、70年間、行方不明だった。

メキシコに住む若者は「スペインという国は、ぼくたちに過去を知られたくない」。さらに、「人々がどんなふうに生きたかが、歴史の本に出ていないのが問題」と言う。メキシコに亡命した老女は、「辛いことは忘れろと言われるが、死ぬまで忘れないだろう」。

兄キャパの功績を世に伝えるのがライフワークの弟のコーネル・キャパは、ICPを創設して、兄の作品を所蔵し、発表する場とした。コーネルは南米で、キャパのネガを探そうとしている。キャパは、命の危険も顧みずに撮影を続けた。被写体に限界まで近づき、緊迫感あふれた写真を撮った。

©212 Berlin/Mallerich Films

タローはユーモア、エネルギーにあふれた女性で、勇敢だった。病院に運び込まれたタローを見た老看護士は言う。「タローは包帯だらけ。ほとんど意識のないまま言った。”私のカメラは?”」と。ブルネテでは、タローが撮影中に戦闘は激しさを増していた。共和派は撤退し、戻る時に共和国軍の戦車が、タローの乗った車に衝突する。タローは、結果として、敵ではなく、味方に殺されたことになる。

©Magnum Photos/

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