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今週末見るべき映画「オン・ザ・ロード」

2013年 8月 29日 12:00 Category : Art

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ジャック・ケルアックの「路上」(福田実・訳、河出文庫)を読んだのは、もうずいぶん前になる。このほど、公開される映画「オン・ザ・ロード」(ブロードメディア・スタジオ配給)の原作だ。フランシス・フォード・コッポラが、早くから映画化権を獲得、ずっと、映画化の話が継続していた。1970年代後半、監督にはジャン=リュック・ゴダール、その後、ガス・ヴァン・サントの名があがっていたという。結局、「セントラル・ステーション」や「モーターサイクル・ダイアリーズ」など、ロードムービーの傑作を撮った、ブラジルのウォルター・サレスが監督を引き受ける。

ケルアックは、「路上」を書いた直後、自らが主人公のサル・パラダイスを演じ、サルが兄のように慕うディーン・モリアーティ役を、なんとマーロン・ブランドで映画化を考えていたらしい。作家志望のサルは、ケルアック本人で、ディーンは、実在の人物のニール・キャサディである。


また、サルとディーンの友人役で登場するカーロ・マルクスは、詩人で、「吠える」や「カディッシュ」を書いたアレン・ギンズバーグであり、オールド・ブル・リーは、作家で、「裸のランチ」を書いたウィリアム・S・バロウズである。

ケルアック、ギンズバーグ、バロウズたちは、1950年代のアメリカのビート・ジェネレーションといわれる世代を牽引した若者たちである。ケルアックは、アメリカ中を旅し、その自伝的小説「路上」を書く。小説で描かれた旅は、酒やドラッグ、セックスに溺れたり、ビーバップを聴き、踊り、享楽にのめり込む旅だが、ケルアックの深い人間観察に溢れ、青春の哀切や苦悩、生き急ぐ若者たちの切ない時間が、素晴らしい文章で綴られる。「路上」は、やがて、アメリカの若い世代から、圧倒的な支持を集める。

映画にしない手はない。しかし、原作は劇的なドラマではない。散文詩のように綴られた小説は、第1部から第4部までと、短いエピローグの第5部からなり、いきいきとして破天荒、自由気ままなディーンと、控えめながら、ディーンに共感していくサルと、ディーンをめぐっての友人や女性たちとのさまざまな組み合わせでの旅と、旅の過程で出会った人たちとの触れあいである。

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