今週末見るべき映画「危険なプロット」

2013年 10月 18日 08:00 Category : Art

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フランソワ・オゾン。2001年、34歳で「まぼろし」を撮る。その手腕に、世界が驚く。以後、ほぼ毎年のように話題作を撮りつづけている。「8人の女たち」、「スイミング・プール」、「ぼくを葬る」、「しあわせの雨傘」などなど。2012年製作のフランス映画「危険なプロット」(キノフィルムズ配給)は、スペインのファン・マヨルガの戯曲が原作、オゾン自身が脚本を書く。これが、抜群に面白い。

作家志望だったリセの国語教師ジェルマンが、教え子クロードの文章に興味を持つ。皮肉たっぷり、友人の両親のプライバシーにまで踏み込んだ文章に、ジェルマンは惹かれていく。教師は教え子に「文学」を説き、文章作法を指導する。例に引くのは、フローベル、ラ・フォンテーヌ、ドストエフスキー、チェーホフ、ディケンズなどだ。また、セリーヌの「夜の果てへの旅」が、セリフや重要な小道具として登場したりする。


ジェルマンの指導で、クロードは、ジェルマンの妻ジャンヌまで巻き込むほどの文章を綴っていく。クロードの文章は、常に「続く」で終わり、夫妻の興味がますますエスカレートしていく。やがて、クロードの書く文章は、濃密さを増し、現実と虚構の距離が埋まっていく。徐々に、師弟の関係が転倒したかのように、クロードの書き続ける文章に、夫妻が翻弄されるようになる。

クロードの覗き見る現実と、クロードの才能にジェルマンの指導が織りなす虚構の文章がないまぜになり、まさに虚実皮膜。観客は、オゾン監督の語り口のうまさに驚き、仕掛けた罠に落ちてしまう。ラストまでサスペンスがたっぷり、ドラマの内容が次々と変容し、皮肉でブラック・ユーモアに満ちたセリフが飛び交い、ぐいぐい引き込まれてしまう。

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