現代アートの最先端から次世代の「視点」を見る、森美「六本木クロッシング2013展」

2013年 10月 31日 16:00 Category : Art

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六本木クロッシングの季節がやってきた。六本木クロッシングとは、東京・六本木の森美術館が日本の現代アートシーンをみわたし、新旧含めて交差(クロス)する「いま」注目すべきアーティストを紹介するシリーズで、2004年から3年に1度開催されている。2004年「日本美術の新しい展望2004」、2007年「未来への脈動」、2010年「芸術は可能か?」ときて、今年は「アウト・オブ・ダウト」である。

前回の六本木クロッシングでは、ダムタイプの故・古橋悌二の言葉を借り、バブル経済崩壊後、アートがアートの枠内にとどまらず、いかに社会に影響を与えていくかを説く「芸術は可能か?」という言葉を投げ掛けたが、今回は、さらにその色を強めた。もちろん要因となったのは、東日本大震災だろう。3.11以後、「生きる意味」そのものを考えざるを得ない厳しい現実の中で、アートはどう現実と接点を持つのか。「アウト・オブ・ダウト」展では、これまで歴史のなかで紡がれてきた常識、規範とされていることをもう一度疑い、新たに解釈をするような作品が多く展示されている。参加作家は1970~1980年代以降生まれの若い作家を中心としているが、それ以前の作家の作品なども並列して展示することで、時間を超えた対話も試みられている。

総勢29組の作家による、現代の視点はどの作品も興味深かったが、いくつか気になった作品をピックアップしたい。

会場内に入ると、まず登場するのがこちらに迫り来るような大きな壁。これは、小林史子の作品だ。彼女は、洋服や家具、家電などを集め、私物もその中に織り交ぜながら空間の中に再構成する方法でインスタレーションをおこなう。使用される素材は、多くが生活実用品で、展示場所の周辺から集められることが多く、彼女が作り出す渾沌の中には、オブジェクトの集積による場所やかつての使用者の記憶の集積であるとも言える。今回展示された作品では、美術館のある六本木ヒルズ周辺と、小林本人の身の回りから収集してきた椅子と洋服を使い、大きな壁を作り上げた。彼女は以前のインタビュー(Lixilギャラリー)で自身の作品を「巣づくり」がひとつのキーワードであると言っているが、ハンガーなどを拾ってきてうまい具合にすみかをつくるす都会の鳥たちの姿は、展示場所周辺で素材を探し、展示場所に合わせた作品に再構築する作者の姿にも重なる。とにもかくにも圧倒的な存在感のインスタレーションである。


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