今週末見るべき映画「アイ・ウェイウェイは謝らない」

2013年 11月 29日 12:00 Category : Art

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中味の濃い、痛快なドキュメンタリー映画だ。北京オリンピックのメイン会場、「鳥の巣」の設計に参画したひとり、アイ・ウェイウェイとはいかなる人物かを、アメリカのフリー・ジャーナリストで、ドキュメンタリーの映像作家でもあるアリソン・クレイマン監督が追いかけたのが「アイ・ウェイウェイは謝らない」(キノフィルムズ配給)だ。

アイは、現代美術のアーティストに留まらない。建築や美術全般に造詣が深く、人権をめぐって、中国政府に真っ向から逆らう運動家でもある。アイは、2011年4月、脱税の容疑で、北京空港で拘束される。81日後に保釈されるが、その条件は、拘束内容についての取材に応じない、ネットでの表現は停止、1年間は北京を出ることを禁止、というものであった。中国政府のとったこの措置に、世界じゅうがブーイングする。

映画は、アイ本人へのインタビューを始め、仲間や家族がアイの人となりを語っていく。アイは、自国への批判を緩めない。2008年の北京オリンピックのメイン・スタジアムの設計に参画したが、後に、オリンピックそのものを国家プロパガンダとして批判する。さらに、2008年5月の四川省を襲った大地震の後に、亡くなった児童の調査や、校舎倒壊の調査を始める。2009年8月、四川省の成都にいたアイたちを、地元の警察が襲う。尾行や監視、盗聴が日常茶飯事となる。個展が開かれるミュンヘンで、やっと大脳内出血の手術を受ける。

アイの妻、弟、母親も登場し、青年時代のアイについて語る。2010年、イギリスのロンドン、テート・モダンで新作を展示する。手作りの陶器で出来たひまわりの種を1億粒、テート・モダンに敷き詰めるというアイデアだ。妻ではない女性との間に出来た、アイ・ラオという男の子がいる。アイは、子煩悩だ。やがて、政府の圧力は増し、上海にあるアイのスタジオが破壊される。そして、自身の拘束に繋がっていく。

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