今週末見るべき映画「アイ・ウェイウェイは謝らない」

2013年 11月 29日 12:00 Category : Art

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【Story】
北京にあるアイ・ウェイウェイの自宅兼スタジオ。スタジオを政府の監視カメラが見張っている。友人のチェン・タンチンは言う。「アイはほかの中国のアーティストと一線を画している。我々は体制内芸術家だが、彼は無頼の一匹狼だ」と。ロンドンのテート・モダンでの展示と、サンパウロ・ビエンナーレの展示の準備が進んでいる。

エッフェル塔や天安門広場を背景に、アイが中指を立てる写真は有名だ。ニューヨークのギャラリーのオーナーは、漢時代の壷を落とそうとしているアイの写真を見て、「旧来の文化と決別し、新しい何かを求めよと言っているんだ」と解説する。中国のあるキュレーターは言う。「アイの中国での役割は、芸術家の枠を超えている」と。


世界じゅうのメディアから年間100以上もの取材を受ける。国内でも、100もの取材を受ける。国民に対して、大きな存在感を示したのは、四川大地震からだろう。アイは、犠牲者の名前を並べただけの作品を仕上げる。子供の死亡者の数を、政府がまだ発表していないころ、アイは、亡くなった子供たちの調査結果を、記録映画「ホアリエン・バーアル」にまとめる。子供の死者数を復興局に聞いても、機密事項だからと教えてくれない。「なぜ知りたい? アメリカのスパイか」と言われる。いまは閉鎖されたアイのブログを見て、亡くなった子供の調査をするボランティアも多い。ボランティアは被災地を巡り、学校や両親に、生徒の名前を聞いて回る。

2009年5月、大地震から1年目。子供の死者は5212人、その名前と生年月日を探し出し、ブログに掲載する。「ネットやブログは、世論を変えるチャンスを、普通の人にもたらした」とアイ。直後、ブログは閉鎖され、スタジオには監視カメラが設置されることになる。

文化大革命の時に、アイと同じような境遇の人たちはいた。アイの親の世代で、共産党員で、右派のレッテルを貼られた人たちだ。恐れを知らず、思ったまま、政府批判をした。アイの父、詩人のアイ・チンもその1人だ。革命闘争に尽力した父は、家族いっしょに中国西部に追放され、19年もの間、労働改造を受けた。アイの弟は、父の顔に墨がかけられたり、銃で殴られるのを見ている。

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