今週末見るべき映画「ビフォア・ミッドナイト」

2014年 1月 17日 12:00 Category : Art

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もうずいぶん前に、「ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(ディスタンス)」という映画を見た。ヨーロッパを走るウィーン行きの列車で、アメリカ人の青年ジェシーと、フランス人の女子大生セリーヌが出会う。まだ若いふたりは、夜明けまでの14時間、ウィーンの町を歩き、それぞれの夢を語り、自分自身を語る。別れの時間が迫る。再会を約してふたりは別れる。ジェシーにイーサン・ホーク、セリーヌ役はジュリー・デルピーだった。監督はリチャード・リンクレイター。若者の繊細な感情を、巧みに掬い取った、すてきな映画だった。


9年後の2004年、続編ともいえる「ビフォア・サンセット」が作られた。半年後に約した再会が実現しないまま、9年が経った。ジェシーは、ウィーンでの出来事を小説に書き、いま、パリに来ている。ふたりは、パリの書店で再会する。ちょうどジェシーがニューヨークに戻る日で、ふたりに残された時間は1時間25分。別れの時間が迫るなか、ふたりの会話は、とりとめのないことばかり。余韻たっぷりに、映画は終わる。映画というより、演劇に近い会話劇が、達者な俳優によって演じられ、これまたすてきな映画であった。さらに、9年の時間が過ぎる。

「ビフォア・ミッドナイト」(アルバトロス・フィルム配給)は、ウィーンでの会話から、18年の時間が経過している。もはや、ふたりは中年。ジェシーとセリーヌは、パリで同居し、双子の娘がいる。友人の招きで、ギリシャの海辺の町にいるという設定である。ジェシーは、元妻との間にできた息子ハンクを、ギリシャに招き、シカゴまで帰るのを見送る。セリーヌは、環境問題の運動家として働いているが、先が読めない現状に、いささか苛ついている。紆余曲折を経て結ばれたふたりだが、いまや、家族のありようまでも思慮しなければならない年齢である。ジェシーが、息子や元妻とのことで、アメリカ行きをセリーヌにほのめかしたことから、ふたりの会話が急に険悪なものになっていく。

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