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今週末見るべき映画「ラスト・ベガス」

2014年 5月 23日 08:00 Category : Art

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マイケル・ダグラス、ロバート・デ・ニーロ、モーガン・フリーマン、ケヴィン・クラインといった錚々たる俳優たちが、初めて顔を合わせたのが、「ラスト・ベガス」(KADOKAWA配給)である。これだけのメンバー、それぞれが主演した過去の傑作は多い。いずれもアカデミー賞受賞歴がある。年齢は、一番若いケヴィン・クラインが66歳、モーガン・フリーマンが最年長で76歳だ。この4人が幼なじみに扮し、いたずらばかりしていた頃から58年後、最後まで独身だった一人が結婚することになり、久しぶりに4人が会うことになる。舞台はラスベガス、独身に別れを告げる、いわゆるバチェラー・パーティを開こう、というわけである。


4人は、ともにブルックリンで育ち、遊んだ悪ガキだった。独身を貫いていたマイケル・ダグラス扮するビリーが、若い女性と結婚するという。過去、3人が結婚する際には、バチェラー・パーティを開いていた。年老いたとはいえ、今また4人が集まろうとする。そう言えば、先頃、大ヒットした「ハングオーバー!」シリーズがあったが、本作はいわばその老人版といった結構である。単に、あやかっているだけではない。4人のキャラクター設定が巧みで、冒頭の短いショットで、4人が、どのような人物なのか、その性格や、状況があざやかに描かれる。しかも、単にバカ騒ぎだけでは終わらない。

今時、誰もやらないと思うが、仲間が集結しての独身最後のバカ騒ぎに、70歳近い老人たちが、ウキウキする。ある秘密が明らかになる。長い年月、続いてきた友情である。さて、どうなるか。これだけの俳優たちである。しっかり、見せてくれる。


展開が鮮やか、見ていて安心、笑わせるセリフが連発する小粋さ。面白い。やがて、しんみり、ホロリとさせる。若い人にはともかく、ある程度の人生を生きた者にとっては、4人の言動には、それぞれ、人生の真実が見え隠れして、多大の共感を覚えるにちがいない。

日本の年金制度の展望の無さへの嘆きはあるが、本作の4人の場合、経済的には、比較的、恵まれている状況にあるようだ。もちろん、バカ騒ぎが目的なのだが、設定は、いずれも70歳近い老人である。肉体的、健康上の衰えを抱え、老いの種々相が見てとれる。しかしなお、衰えを覚悟し、受け入れてこその活気がある。本作を見て思う。加齢による肉体の衰えといったうんざりする現実から、ありのままを受け入れ、覚悟を決めることで、とりあえずの現実からは、逃避できる、と。心の健康を保つためには、現実の受容、覚悟かも知れない、とも。

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