今週末見るべき映画「収容病棟」

2014年 6月 27日 08:00 Category : Art

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「鳳鳴ー中国の記憶」、「無言歌」、「三姉妹~雲南の子」などに続いて、またまた、ワン・ビン監督の凄さが全編に漂う。ドキュメンタリー映画「収容病棟」(ムヴィオラ配給)は、中国・雲南省にある精神病患者を収容している施設に、ワン・ビン監督のカメラが入る。上映時間は、前編、後編合わせて、3時間47分と長いが、ワン・ビンの映像は、長さをまったく感じさせない。収容されているさまざまな患者の日常が、淡々と描かれるだけである。ところが、これが映像の力、編集の巧みさだろう、見る者を引きつけて、離さない。患者のひとりひとりの状況が、まるでドラマ。これがまさに「映画」の力だろう、虚構のドラマ以上のドラマが、次々と綴られる。


中国には、精神を病んだ人が1億人、いるという。ざっと13、4人にひとり、ということになる。日本では、医療機関にかかっている精神疾患の患者数が323万人(平成20年)だから、日本の倍以上である。もっとも、医療を受けていなくても、どこか精神を病んでいる人は、中国に負けないほど、日本には存在していると思うが。

ワン・ビンは、2003年頃、北京郊外で、廃墟のような建物を見つける。扉越しに中を見ると、鉄格子の向こうに、男性のグループがいる。精神病院だった。10数年も入院している人がいる。戸籍が病院に移されている人もいる。つまり、ここで一生を過ごすことを意味する。ワン・ビンは、撮影の許可を求めたが、許可はおりない。

2012年、「三姉妹~雲南の子」を編集中に、雲南省の友人がやってきて、雲南省の精神病院が撮影させてくれそうだ、と言う。2013年1月、ワン・ビンのカメラが回り始める。以降、3ヵ月半、休むことなく、映像が記録されていく。

以前、ワン・ビンは、「三姉妹~雲南の子」の日本公開と特集上映に合わせて来日したが、このほどの「収容病棟」公開に先立ち、この2月に来日、囲みのインタビューに参加した。「収容病棟」の原題は「瘋愛」という。「瘋」は、狂った、という意味。「患者の人間同士の愛を表現したかった」と言う。また、日本語のタイトルについて、「精神病院に入院しているより、収容されているといった状況と思って」と語る。中国政府からの圧力の有無を聞いた。苦笑しながら、「DVDはないと思うし、あっても、おそらく政府要人は見ないと思う。作品に政治的メタフォーは持たせていない。自然の姿を撮っただけ」と語る。

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