今週末見るべき映画「サンシャイン♪ 歌声が響く街」

2014年 7月 31日 12:00 Category : Art

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この9月、スコットランドの独立をめぐっての国民投票が行われる。たぶん、反対派が勝利すると思われるが、スコットランドの政治的な影響力が、今までより増すことと思われる。サッチャー政権の頃からの経済格差は相変わらずなのだが。

そのスコットランドのエジンバラが舞台のヒット・ミュージカルが映画になった。「サンシャイン♪ 歌声が響く街」(ギャガ配給)だ。ミュージカルの元のタイトルは「サンシャイン・オン・リース」で、映画の原題でもある。エジンバラの北、フォース湾に面した風光明媚な町リースで展開するミュージカルだ。ブロードウェイのミュージカルだけがミュージカルではない。スコットランドで評判を取れば、映画にするのは当然だろう。もとのミュージカルの脚本を書いたスティーブン・グリーンホーンが、自らの台本をもとに、映画の脚本も書く。音楽は、グリーンホーンが注目した、リース出身の双子の男性デュオ、プロクレイマーズ。プロクレイマーズの歌詞は、ストーリー性のあるものが多い。ミュージカルには格好の材料と思われる。


プロクレイマーズの音楽、歌詞もすてきだが、なによりも、グリーンホーンの手になる、細部がキチンと描かれた脚本が優れている。結婚25年になる夫婦とその息子、娘たちの、いわば、家族のドラマだが、登場人物たちにとっては、なにごとも、うまく行く人生ではない。いまのイギリスという国の置かれた状況があって、スコットランドの事情がある。スコットランドからも、兵役として、多くの若者たちがアフガニスタンに送り込まれていた現実がある。

兵役を終えて、無事、リースに帰還したディヴィーとアリーだが、仲間のロニーは足を失う。ディヴィーの妹リズは、アリーとつきあっている。リズは友人のイヴォンヌを、兄のディヴィーに紹介する。2組の若いカップルは、一見、うまくいくかに見えるが、大きな衝突を起こす。ディヴィーとリズの両親は、結婚25年、銀婚式を挙げるが、そこでとんでもない事実が発覚する。


決して荒唐無稽な話ではない。けっこう、リアル、現実的なドラマである。このドラマ進行に合わせて、プロクレイマーズの楽曲がうまく挿入され、まるで、ドラマに合わせての歌詞と錯覚するほどの一致ぶりを見せる。

主な俳優は、自ら唄う。飛び抜けての巧さではないが、いずれも、説得力のある唄いっぷり。群舞シーンもいくつかあって、どれも、迫力たっぷり、見ものである。ことに、プロクレイマーズの代表作と言われている「I'M GONNA BE(500MILES)」が、ラスト近くの、群舞で唄われる。ゾクッとするほどの迫力あるシーンである。

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