フィオナ・タン、都内初の大規模個展を開催

2014年 8月 26日 08:00 Category : Art

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恵比寿の東京都写真美術館にて、インドネシア出身、現在はオランダで活動する映像作家、フィオナ・タンの個展「まなざしの詩学」が開催されている。期間は9月23日まで。

《リフト》シルクスクリーン 2000年 東京都写真美術館蔵/Courtesy of the artist and Frith Street Gallery, London; Wako Works of Art,Tokyo

お恥ずかしながら、筆者はフィオナ・タンというアーティストをつい先日まで知らなかった。「ゴー・ビトゥイーンズ展:こどもを通して見る世界」(森美術館にて8月31日まで開催)に出展されている彼女のビデオ・インスタレーションを見てからすっかりファンになってしまったわけだが、《明日》と名付けられた作品は、スウェーデンの高校生たちがずらっと横並びになっていて、全身と顔のアップの2つの映像が流れるというもの。カメラを前にカッコつける子もいれば、照れてはにかむ子もいる。思春期の少年少女がもつ自意識や不安を見事に表現している作品であった。そして幸いなことに、この夏はフィオナ・タンの展覧会が「ゴー・ビトゥイーンズ展」を含め3つもあるのだ。

その中で最も大規模なのが東京都写真美術館で開催されている「フィオナ・タン まなざしの詩学」展である。フィオナ・タンは、しばしば古い記録フィルムや写真を素材とし、ときにドキュメンタリーとフィクションの間を行き来しながら、集団や個人の間で文化的差異がいかに記録および記憶されてきたかを問いかける作品で、国際的な評価を確かなものとしてきた。本展では、大きな注目を集めた2009年ヴェネチア・ビエンナーレ オランダ館出品作品のほか、新旧の代表作を通じて、写真と映像の本質に迫る問いを詩的かつ批評的に投げかけている。

見どころは2会場で体感するフィオナ・タンの映像世界にある。1階ホールでは、映像表現の第一人者である彼女の美と知の示唆に富んだ長編作品をゆっくり鑑賞することができ、美術ファンだけでなく映画ファンも必見の内容になっている。

《興味深い時代を生きますように》ドキュメンタリー・フィルム 1997年/Courtesy of the artist and Frith Street Gallery, London; Wako Works of Art,Tokyo

《興味深い時代を生きますように》は日本初公開作品。フィオナ・タンが、自身の血縁者をオーストラリア、香港、インドネシア、中国、ドイツ、オランダに行って取材し、異国の地に生きる華人の文化的なアイデンティティについて考察した私的なドキュメンタリー。中国系インドネシア人の父とオーストラリア人の母の間に生まれた自らを、しばしば「真の異邦人」と称する彼女の原点ともいえる一篇だ。

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