建築家ピエール・シャローの知られざる魅力を公開

2014年 9月 17日 08:00 Category : Art

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ピエール・シャローというデザイナーをご存知だろうか。フランスで活躍したアール・デコ期のデザイナーで建築家だが、日本での知名度はあまり高くないかもしれない。東京・目黒にある東京都庭園美術館にシャローの家具作品があると聞けば、少しは身近に感じるだろうか。そのピエール・シャローの活動を紹介する日本で初めての本格的な展覧会「建築家ピエール・シャローとガラスの家」が、パナソニック 汐留ミュージアムで10月13日まで開催されている。

ピエール・シャロー《ガラスの家》1927-1931年/Photo:©Centre Pompidou - MNAM Bibliothèque
Kandinsky - Georges Meguerditchian

まず、ピエール・シャロー(Pierre Chareau1883-1950)について。1883年フランス南西部・ボルドーに生まれ、青年時代は英国の家具メーカーに勤務。1919年に独立し、1922年以降は金属職人ルイ・ダルベとの協働関係を築き、手工芸的な造形を照明器具や建築作品に取り入れていく。そして、1925年パリ万国博覧会に参画して脚光を浴びる。その後はレファンベール夫人のゲストハウスやツール市内のグラン・ホテルの内装(共に1927年)を手がける。

ロール・アルバン=ギヨ撮影《ピエール・シャローの肖像》1925年/Photo:©Centre Pompidou - MNAM CCI, Philippe Migeat, Dist. RMN-GP, distributed by AMF

つまり、シャローは建築の勉強を特別にしたわけでなく、現場で修業を積んで名声を手に入れたタイプ。仕事の領域も、家具デザインからインテリアデザイン、建築へと広げていき、その比類なき才能を十分に発揮したのだ。

中でも、本展のタイトルにもなっている「ガラスの家」は、シャローが1927年から1931年の間に手がけたパリ左岸に現存する邸宅で、「世界一美しい機械仕掛けのリノベーション住宅」と言われている。

ピエール・シャロー《ガラスの家》1927-1931年/Photo:©Centre Pompidou - MNAM Bibliothèque
Kandinsky - Georges Meguerditchian

近代建築の黎明期の傑作として高く評価されている「ガラスの家」だが、初めて見たときは、あまりの斬新さに笑いが出てしまうほどだった。その独特の空間は、18世紀のアパルトマンの3階部分はそのままに、1・2階部分をすっぽりとくりぬいた中に家を建てたことによる。そこで誰もが疑問に思うのは「どうして3階部分を残したのか?」ということ。それは今でもよくあることだが、当時の3階の住人が立ち退きを拒否したからだという(そりゃそうだ)。

従って、3階部分を残すことになった「ガラスの家」は、新築ではなく改築になったものの、制約のある空間だからこそのアイデアが実に素晴らしい結果を生んだ。室内に見られる黒と鮮やかな朱色に塗装された鉄の柱は、既存の上層階を支えるためのもので、光を最大限に取り入れるため、ファサードは半透明のガラスブロックで覆うことになった。

ピエール・シャロー《ガラスの家》1927-1931年/Photo:©Centre Pompidou - MNAM Bibliothèque
Kandinsky - Georges Meguerditchian

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