人気企画の続編「だまし絵II」展、まもなく終了

2014年 9月 25日 08:00 Category : Art

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Bunkamuraザ・ミュージアム(東京・渋谷)で開催されている「だまし絵II 進化するだまし絵」展に行ってきた。本展は2009年に開催され、ザ・ミュージアムほか、名古屋、神戸の3都市を巡回し、延べ75万人という驚異的な動員数を記録した展覧会の続編である。

そんな前情報をもとに会場を訪れたのものだから、すでに入り口の時点で自身の期待値はMAXに達してしまった。見よ、このワクワクする入り口を!

開催のご挨拶からして遊び心満載である。文章が歪んで見えるのは、目の錯覚なのか、波打ったレイアウトなのか。すでに“だまし合い”の火蓋は切られたといった感じ。

会場の中に入ると最初に目に飛び込んでくるのが、展覧会のメインビジュアルにもなっているジュゼッペ・アルチンホルトの《司書》。

シュセッヘ・アルチンホルト 《司書》 1566年頃 油彩・キャンウァス スコークロステル城(スウェーテン) Photo: Samuel Uhrdin

アルチンホルトは「だまし絵」の創始者の一人と言われている人物。宮廷画家であった彼は、動物や野菜、果物など様々な物を組み合わせて人物像を生み出すという手法で絵を描いていた。だまし絵の観点からは、ダブル・イメージというカテゴリに分類され、ある絵の中に別の絵が潜んでいるという構造を取る。

本展の出品作の《司書》においては、どうだろう。躯体と頭部は積んだ本、髪(あるいは帽子)は開いた本、目は鍵の輪、耳は本を閉じる紐、髭ははたき、そして指は本のしおりになっている。ここに描かれているのは、宮廷の歴史を記録する修史官であり、皇帝の美術品の数々や図書館を取り仕切っていたという。つまり、本はこの人物の象徴であるワケだが、実際は本の虫のわりに残した文章が批判精神に乏しかったことから、それを嘲笑した作品であると言われている。のっけから「アートでなければ、本物のだまし絵ではない」ことを実感させてくれる嬉しい作品だ。

続いては、福田繁雄の《アンダーグランド・ピアノ》。床に置かれた得体の知れない黒い物体は、バランスを失った瓦礫のように、今にも崩れ落ちそうな風貌をしている。しかし、左上の鏡の中を覗いてみると、それは「正しいかたち」に見えるという仕掛け。目の前には存在しないピアノが、鏡の中にはある不思議を味わえるだろう。

福田繁雄 《アンタークラント・ヒアノ》 1984年 木、金属、アクリル 広島市現代美術館

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