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近所からどこまで飛躍できるのか? 鈴木康広個展「近所の地球」

2014年 10月 16日 09:00 Category : Art

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水戸芸術館で開催中のアーティスト鈴木康広の個展「近所の地球」。展示の会場構成をワンダーウォールの片山正通が担当し、日常から時間と空間を超えたイマジネーションの世界が実現した。

鈴木の作品は、一見どれも見たことのあるものばかり。日常身の回りにあるようなものがモチーフとなっている。しかし、作品を目の前にするとそんな日用品たちがあれよという間に姿を変えて、時間や空間を超えて飛んで行ってしまう。作品を一度体験したことがある方はおわかりかと思うが、そのマジックに一度ハマってしまうと、美術館を出て日常に戻ってからも鈴木ワールドが続く。

水戸芸術館でアーティスト鈴木康広の個展「近所の地球」が開催中だ。さっそく美術館の中へ行ってみよう。

水戸芸術館の中に入ると、皆が上を見上げている。《大きな空気の人》だ。体長約12メートルの文字通り大きな人が気持ちよさそうにぷかぷかと浮いている。この作品はもともと《空気の人》という、ほぼ等身大サイズのプラスチックフィルム製の人体の中にヘリウムガスを入れ、風船のように浮かせたものだった。《大きな空気の人》は、ヘリウムガスではなくおへそから空気が送り込まれる仕組みになっている。


先ほど「気持ちよさそうに」と書いたが、宙に浮かんでいる空気の人に表情はない。ただ、風に揺られ、光を透かし、その場に佇んでいるだけなのだ。かたちが人体であるがゆえに、見る方が勝手に、「気持ちよさそう」であるとか「悲しそう」という感情を挿入、もしくは投影してしまう。常にひとつところに留まることなく、動き続けているのも、感情移入しやすいポイントなのだろうか。

会場構成を務めたのは、片山正通率いるワンダーウォール。現在、鈴木は武蔵野美術大学空間演出デザイン学科の専任教員を務めており、同じ学科の教授・片山と縁があったのだという。会場構成のコンセプトは、迷路のように何度も回遊できる展覧会である。非常にシンプルで真っ白なエントランスは、よく見ると、ブロック塀がかたどられている。途中、ブロックが抜け落ちたへこみの部分に映像が流れていたり、夕方になると照明が落ちて壁に夕焼けが投影されていたり。この感じは何なのだろう。美術館にアート作品を見に来たというよりは、少しずつ脳内が子ども時代に引き戻されていく。

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