今週末見るべき映画「天才スピヴェット」

2014年 11月 14日 08:00 Category : Art

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今年の東京国際映画祭で、特別招待作品として上映された「天才スピヴェット」(ギャガ配給)が、早くも公開となる。ごひいきの監督ジャン=ピエール・ジュネ作品だ。ジュネ作品の特徴は、ブラックなユーモア、風変わりな登場人物、小道具類の奇抜さと可愛いらしさ、他者への思いやり、そして辛辣な批評精神ではないかと思っている。このすべてではなくても、いくつかは過去のジュネ作品にあてはまる。「デリカテッセン」しかり、「アメリ」しかり、「ミックマック」(イズムでも紹介)しかり。ジュネは、その才能を見込まれて、アメリカで「エイリアン4」を撮るが、アメリカの映画風土に馴染もうとしないところが、ジュネのいいところだろう。

本作の舞台はアメリカで、言語は英語だが、撮影はカナダ、映画そのものはフランス、カナダの合作である。


さて、本作もまた、ジュネらしく、風変わりな登場人物、小道具類の奇抜さに可愛らしさ、辛辣な批評精神、他者への思いやりに満ちている。天才少年スピヴェットの視点から、大人の世界を垣間見る。風変わりで、親切な大人たちもいるが、あざとく、図々しいだけの大人もいる。ジュネ作品としては、初の3Dである。スピヴェットの住む田舎や、旅する場所の風景、いろいろと出てくる小道具類が、ほどよく抑制されて、飛び出してくる。目の前に槍が飛んできたり、怪物が飛びかかってきたりのこけおどかしの多い3D映画と違って、ごく自然な立体感が味わえる。

アメリカ、モンタナ州の田舎。風変わりな家族が住んでいる。10歳になる双子の兄スピヴェットは、天才的な科学者、発明家だ。パパは、いまだカウボーイ気分そのままの寡黙な人物。ママは、頭脳明晰な昆虫学者。姉はアイドル志向だが、田舎にくすぶったままの状況を憂いている。スピヴェットは、銃の好きな弟を、銃の暴発で亡くしていて、いささかトラウマを抱えている。そんなスピヴェットの元に、ワシントンD.C.から電話がかかってくる。なんと、スミソニアン博物館からで、スピヴェットの発明した「磁気車輪」が、ベアード賞を受賞、ついては授賞式でスピーチをしてほしい、というものであった。

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