【トーク】ルネサンス三大巨匠編(1)/第一回ヘンタイ美術館

2014年 11月 10日 09:00 Category : Art

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4月に行われたイズム主催「第一回ヘンタイ美術館」のトークイベントの内容を、本日から5日連続で掲載する。12月4日に「第三回ヘンタイ美術館」が開催予定。ぜひ臨場感を体験してほしい。

ヘンタイ美術館〜美術の歴史は、ヘンタイの歴史である〜/第一回トークショー
ルネサンスの三大巨匠ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロ。いちばんのヘンタイは誰だ!?(1)


山田五郎館長(以下、G館長):みなさん、ようこそヘンタイ美術館へ。

学芸員見習い こやま淳子(以下、J見習い):こむずかしく考えがちな西洋美術も、ヘンタイでどうかしちゃってる美術家たちの側面から見ていくと、とってもおもしろくわかってくる。当美術館は、そんなヘンタイ斬り口から西洋美術を見ていこうという、ちょっとヘンな美術館です。

G館長:オレは最初、このネーミングには反対だったんですよ。本物の変態に失礼だから。

J見習い:そう、もちろん性的倒錯など、本物な方々も美術家にはいらっしゃいますが、ここではもっとライトに、ちょっと変わった美術家さんのキャラクターにスポットを当てていこう!という主旨です。

G館長:というわけで、本物の変態の方々へのリスペクトもこめて、変態ではなくヘンタイと、あえてカタカナ表記にしてあります。

J見習い:館長のこだわりですね…(笑)。というわけで第一回目のテーマは、「ルネサンスの三大巨匠ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロ、いちばんのヘンタイは誰だ!?」です。

#01.三大巨匠、とりあえずいちばんエライのは誰だ!?


J見習い:私くらいの美術シロウトだと、ダ・ヴィンチは知ってる、ミケランジェロは聞いたことある、ラファエロは誰?って感じですが。

G館長:えっ。そんな感じ!? じゃあ、まずは3人の顔から見ていきましょうか。

レオナルドのものとされる自画像
LEONARDO da Vinci/Self-Portrait/c. 1512/Red chalk on paper, 333 x 213 mm/Biblioteca Reale, Turin

ヤコピーノ・デル・コンテによる、ミケランジェロが60歳のときに描かれたとされる肖像画/CONTE, Jacopino del/Portrait of Michelangelo/c. 1540/Oil on panel, 88 x 64 cm/Metropolitan Museum of Art, New York

ラファエロが23歳の時に描いたとされる自画像/RAFFAELLO Sanzio/Self-Portrait/1506/Oil on wood, 45 x 33 cm/Galleria degli Uffizi, Florence

J見習い:年齢でいうと、ミケランジェロがダ・ヴィンチより20歳くらい年下、ラファエロはさらに10歳くらい下。レオナルドとラファエロとは30歳くらい差がありますね。

G館長:まあトシは離れてますけど、この人たち、同じ時期に活動はしているんだよね。お互いの活動も当然、知ってましたし。さて、(会場に)ではみなさん、このなかで誰がいちばんエライと思いますか?

J見習い:じゃ、挙手お願いします。…ええと、やっぱりダ・ヴィンチがいちばんエライと思ってる人が多いですね。その次がラファエロ?

G館長:だよねだよね! そこなんですよ! じゃあなんでダ・ヴィンチが一番エライと思うんですか?

J見習い:ま、とりあえずダ・ヴィンチがいちばん有名ですよね。有名なのは、エライからじゃないかという…。

G館長:そう思うでしょ。だけど少なくともヨーロッパのクラシックな美術史の流れの中でいうと、実は絵で一番エライのはラファエロなんですよ。

J見習い:へええ!

G館長:で、彫刻でエライのはミケランジェロ。

J見習い:ああ、ミケランジェロは彫刻のイメージですね。

G館長:たとえばね、以前森アーツセンターギャラリーで『ラファエル前派展』ってやってましたが…。

J見習い:あ、私行ったんですよー!「ラファエロ勉強しよう」と思って『ラファエル前派展』に行ったら、ラファエロじゃなくてラファエロを否定する人たちの集まりだったという…(笑)。衝撃的でした。

G館長:そうなのよ。だけど、ラファエロのどこをどう否定しているか、いまいちピンとこなかったでしょう?

J見習い:はい。よくわからなかったです。

G館長:ラファエル前派、“Pre-Raphaelite Brotherhood”っていうのは、要するに「ラファエロの前に帰ろう」っていう運動なわけよ。何を否定してるかというと、西洋絵画の古典を否定してるわけ。つまり古典=ラファエロなのよ。  

J見習い:なるほど。「古典の前に帰ろう」ってことなんですね!

G館長:そう。ま、詳しくはまたラファエロ前派の会があればそこでやるけど、ここではラファエロが西洋古典絵画の代名詞だったという事実だけ覚えておいて。ラファエロはそれくらいエライんだってことを。下手すりゃいまでも、西洋の油絵をやる人がまず勉強しなきゃいけないのはラファエロかも。そこはレオナルド・ダ・ヴィンチじゃないわけですよ。「レオナルド前派」じゃないわけですよ。

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