今週末見るべき映画「ストックホルムでワルツを」

2014年 11月 28日 10:15 Category : Art

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ウィーンのワルツではない。映画「ストックホルムでワルツを」(ブロードメディア・スタジオ配給)のワルツは、ジャズである。スウェーデン生まれの女性ジャズ歌手に、モニカ・ゼタールンドという人がいた。いろんなジャズが北欧で大流行した1960年代に、モニカは、英語ではもちろん、母国語であるスウェーデン語でジャズを唄い、これが大ヒットする。映画は、歌手としての栄光と挫折、仕事と子育ての板挟み、父親との亀裂などの紆余曲折を経て、ついには、「ワルツ・フォー・デビー」で世界的に有名なピアニストのビル・エヴァンスと、ニューヨークで共演するまでの半生が描かれる。


懐かしいジャズが、次々と出てくる。日本でも大流行した、4分の5拍子の「テイク・ファイヴ」には、涙する人がいるかも知れない。アルトサックス奏者ポール・デスモンドの作曲、デイブ・ブルーベック・カルテットの演奏だ。映画では、スウェーデン語の詩で「イ・ニューヨーク」として唄われる。

他にも、懐かしい楽曲がズラリ。ジミー・ヴァン・ヒューゼン作曲、ジョー・スタッフォードの名唱のある「イット・クッド・ハプン・トゥ・ユー」、劇中で、トミー・フラナガン・トリオとモニカの唄う「捧げるは愛のみ」、日本では美空ひばりや江利チエミがカバーで唄った「歩いて帰ろう」、レイ・チャールズの歌で大ヒットした「旅立てジャック」、ビリー・ホリディの名唱がある「月光のいたずら」などなど。ドラマの展開にあわせて、実にタイミングよく出てくる。もちろん、ビル・エヴァンスの「ワルツ・フォー・デビー」も。

実物のモニカは、鋭い眼光の美人だったが、映画では、歌手のエッグ・マクナソンが扮する。モニカほどの鋭い目つきではないが、雰囲気がよく似ているようだ。小さい頃から、ビリー・ホリディやエラ・フィッツジェラルドをレコードで聴いて育ったモニカは、ジャズ歌手として大成することを、ずっと諦めない。時には、手段を選ばない。その気迫は、圧倒的ですらある。モニカの娘を預かる父親役にシェル・ベリィクヴィストが扮し、娘や孫のことを苦慮する役どころを、達者に演じる。

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