Interview:メイクアップアーティストMINA・この世は美の奔流。インスピレーションは無限

2014年 11月 28日 08:00 Category : Art

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美しい人は、ただそこにいるだけで美しく、眩しい。その美しさをさらに際立たせてしまうのが、「メイクアップアーティスト」という存在である。メイクというと、“外側”を思い浮かべる人が多いかもしれないが、自分以外のたったひとりの人間でさえ、完璧に理解することができないのと同じように、いわゆる“見た目”だけで、誰かの本当の美しさを測るのは難しい。これは、きっと誰もが周知のことだろう。その一方、“内側”から滲み出るその人の生来のキャラクターや表面からは決して見えない本質的な部分がベストなバランスで外側と融合した時、「ああ、本当に美しい」と見る者が瞬時に思える「トータルビューティー」があっさりと成り立ってしまうことがある。

MINAさんは、直視しても目には決して映らない人間の内側の魅力を如実に捉え、惹(ひ)き出し、「目に映る美」として表現できる稀少なアーティストだ。ファッション、ビューティー、広告、CMなど幅広い分野で活躍する彼女の活躍する舞台は国を選ばない。ジバンシィ、フェンディ、ジョルジオ・アルマーニ、ソニア・リキエルなどビッグメゾンのコレクションをはじめ、国内では、夏木マリ、冨永愛、MISIA、杏、菊地凛子、梨花、りょうなどのセレブリティを手掛けるなど、自由闊達に世界を駆けめぐり、その手腕を発揮し続けている。今回は、メイクアップアーティストに至るその軌跡と共に、メイクを通して見えてくる「本物の美」について、MINAさんにたっぷり語っていただいた。


#01.異国で過ごした少女時代にみつけた“夢のつぼみ”

―カナダに長く住まれていたそうですが、メイクアップアーティストとしてのキャリアもあちらでスタートされたのですか?

今思い返せば、カナダに暮らしていた頃からメイクの道に進む原石的なことはあったかもしれません。でも、本格的にメイクアップアーティストになろうと志したのは、もっと、ずっと後のことでした。なにせ当時はまだ日本の小学校を卒業したばかりの子供でしたので(笑)。父の仕事の関係でバンクーバーに移り住み、それから6年間、現地の中学、高校に通いました。異国の文化にポーンと飛び込んでみたはいいものの、英語の「え」の字も話せず、最初の1年半くらいはESLのクラスに入ってひたすら英語の勉強でしたね。授業も、英語をあまり使う必要のない体育と数学からスタート。徐々に話せるようになってきたら、他の科目の授業にも参加する…という感じでした。

―異国の文化で感じた“メイクの道に進む原石的なこと”って何だったのですか?

当たり前のことかもしれませんが、外国に行くと、話す言葉も違えば、目に見える姿形も当然違いますよね? 周りを見渡せば、目鼻立ちくっきりの白人の子たちの中に、日本人の私がポツンと一人いて、「彼女たちは何もしなくても、ごく自然なままで、目もぱっちりして可愛いのに、どうして私の顔は、こうぼんやりしていて、うすい感じなんだろう?」と思いました。思春期ならではの悩みかもしれませんが、彼女たちと自分の顔を見比べて、当時は鮮烈なコンプレックスを感じていました。日本人の中でも、私は“ザ・アジア”的な顔立ち。切れ長の目を大きく見せたくて、親に内緒でドラッグストアへ行き、メイクをしてから登校したりしていました。

ファンデーションをばっちり塗って、眉毛もくっきり描いて、その頃流行っていたMACの“トープ”という大人っぽいカラーのリップをつける…この行為は、自分の顔に対するコンプレックスに起因するものであると同時に、今思えば、「周りの子たちと馴染みたい」という気持ちの現れでもあったと思います。

あと、中学生の頃からファッション雑誌を見るのが大好きだったんですね。カナダに旅行したことのある方ならご存知だと思いますが、スーパーの書籍コーナーには週刊誌や新聞と一緒に、VOGUEやELLEといった日本では大人の女性が読むような雑誌がふつうに置いてあるんです。周りの女の子たちと同じように、私も夢中になって読んでいました。

―少女としてのコンプレックスと美に対する興味が重なりあって、メイクの世界にどんどん惹かれていったのですね。

ファッション雑誌の中でも、モデルの顔に興味がありました。人の顔って、白人、黒人など人種によってさまざまで、同じアジア人でも、中国、韓国、日本で違いますし、中国系の中でも、台湾や香港ではまた全然違っていたりしますよね。顔立ちさまざまな女の子たちが、皆それぞれ自分好みのメイクやファッションをして学校にやって来る。それが私の目には新鮮に映りました。「あの娘のあのメイク、可愛いな。私も真似してみようかな」とワクワクしながらいつも見ていましたね。元々、絵を描くのが好きだったこともあり、この辺りから、興味や趣味やコンプレックスが自分の中で幾重にも合わさって…、“メイクオタク”になっていきました(笑)。

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