"アラーキー"のこれまでとこれから「往生写集―東ノ空・PARADISE」開催

2014年 12月 3日 08:00 Category : Art

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今から約4年前の冬の終わり、日本人の心に刻まれる数字がまたひとつ増えた。「3.11」。寒空の下で心を痛めた人、いてもたってもいられず車を走らせた人、遠い異国の地から祈りを捧げた人…。一人ひとりが喪失感と向き合い、日本と向き合い、自分と向き合った。あのとき胸に抱いた想いは今なお鮮明であり、人生の歩み方そのものに影響している人も少なくないだろう。"アラーキー"の愛称で知られる写真家、荒木経惟もその一人だ。

生と死、エロス、リアル。60年代から幅広い被写体にカメラを向け、荒木は常にセンセーショナルな話題を振りまいて社会の注目を集め続けている。そんな彼に訪れた、前立腺がんの発症と摘出手術、愛猫チロの死。さらには東日本大震災の経験をきっかけに人生を振り返り、彼は自分自身の「死=往生」を意識するようになった。過去から未来へ向けた「再生」という新たな旅に出かける準備だ。そして、荒木の現在の心境をとらえた作品が銀座にある資生堂ギャラリーにて展示されている。展覧会のタイトルは、その名も『往生写集』。


この『往生写集』なる言葉は、荒木による造語。平安時代の僧侶・源信が著した仏教書『往生要集』(985年)から想を得たという。源信は多くの仏教の経典や論書などから極楽往生に関する要文を集め、死後に極楽往生するためには一心に仏を想い、念仏を唱えることが大切だと説いている。荒木が愛する妻を亡くしてから早25年。あの頃とはまた違った「死」という形に向き合い、現在の彼はファインダー越しに何を見つめるのか。

東ノ空 2014

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