パリで苦闘した明治・大正画家たちの展覧会、第一部が好評のうちに終了

2014年 12月 31日 08:00 Category : Art

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戦前・戦後にかけてパリで活躍した日本人画家の息づかいを感じ取ることができる『ふたつの時代―所蔵品でたどる「パリの日本人」』展(目黒区美術館、東京都目黒区)が好評のうちに終了した。

「海外で学んだ画家たちとその作品」というテーマでコレクションを収集してきた目黒区美術館。本展はそんな目黒区美術館が誇る、絵画作品中心のコレクションで構成され、戦前・戦後というふたつの時代のパリに関わった画家と作品を二部構成で紹介した。

その第一部となったのが、「フジタのいる街角―巴里の誘惑、1910~30年代」。第一次世界大戦前夜の1910年頃から1940年頃まで、パリを舞台に研鑽(けんさん)をつみ、時に脚光を浴びた日本人たちの足跡を思い起こした。パリにおいて苦闘の中から制作の方向を定めた藤田嗣治。藤田は、1920年代前半には画壇の寵児となったが、藤田が日本からやってきた1913年のパリにはすでに、何人もの日本人画家たちが制作に励んでいた。

本展では藤田嗣治を「経糸」とし、まず「藤田以前」の作家たち(安井曾太郎、梅原龍三郎、澤部清五郎ほか)の作品を紹介しながら、明治末~大正初期の画家たちの「留学」の跡を検証した。

安井曾太郎《パリの公園》1911年 油彩・キャンバス/目黒区美術館蔵

澤部清五郎《ムードンの画室街》1913年 油彩・ボード/目黒区美術館蔵

また、第一次世界大戦を挟んで 1920年代後半にかけてパリに渡った多くの作家たちの中から、藤田とその周辺の画家たち(高野三三男、小柳正、岡鹿之助ら)の作品群、そして、伊原宇三郎や児島善三郎など 1920年代半ばから数を増したパリ在住の日本人作家たちをとりあげた。

豊かに成熟した伝統の上で、さまざまな価値観が交錯する華やかなパリにあって、古典から同時代の最尖端まで、幅広く奥深い絵画の世界に触れた日本人たちは、貪欲に知識と技術を吸収しながら、やがて西欧文明と自らの内なる日本をめぐる問題にも直面することになった。

伊原宇三郎《カナぺの女》1926年 油彩・キャンバス/目黒区美術館蔵

坂田一男《浴室の二人の女》1928年 油彩・キャンバス/目黒区美術館蔵

高野三三男《ヴァイオリンのある静物(コンポジション)》 1937 年頃油彩・キャンバス/目黒区美術館蔵

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