【レポート】第三回ヘンタイ美術館、「理想と現実、どちらがヘンタイか」

2014年 12月 23日 08:10 Category : Art

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「美術の歴史は、ヘンタイの歴史である」をキャッチコピーに、美術評論家・山田五郎“館長”が、西洋美術の巨匠たちのヘンタイな魅力にスポットをあてながら、西洋美術史を斬新な視点で紐解いていく架空の美術館「ヘンタイ美術館」。

山田館長と“学芸員見習い”をつとめるコピーライターのこやま淳子氏の2人で贈る第三回目のタイトルは、「理想と現実、どちらがヘンタイか」。今回取り上げたのは、アングル、ドラクロワ、クールベ。「新古典派」「ロマン主義」「写実主義」と、アート界における変革の時代に活躍した画家たちに焦点を当て、彼らの「理想と現実」を解説した。


#1.市民運動、産業革命…。2大革命でフランスになにが起こったか?
第一回のルネサンスで確立された古典的な西洋絵画は、第二回のバロックを経て、18世紀の終わりまでおよそ400年間にわたって発展してきた。けれども19世紀に入ると、それを解体しようとする新たな芸術運動が次々に開花した。

西洋絵画の近代化ともいうべき芸術革命の、主な舞台はフランス。1789年の大革命から1870年の第3共和制成立までの80年間、フランスは市民革命と産業革命の嵐の中で帝政・王政・共和制がめまぐるしく入れ替わり、社会全体の構造が激変。美術も例外ではなかった。

まず市民革命によって、美術のパトロンは教会や王侯貴族から裕福な市民へとチェンジ。その結果、宗教画や歴史画より風俗画や風景画が好まれるようになった。また、今と同じような大衆市場が生まれることで、パトロンからの発注を待たず自発的に作品を描き画廊などを通じて売るアートビジネスが成立。画家はより自由に描けるようになる一方で、個性を打ち出さなければ目立てなくもなったわけだ。

一方、産業革命が生んだ鉄道や自動車、高層ビルなどは、街の景観と人々の美意識を一変。さらに写真の登場が、写実性を最大の売りにしてきた古典的西洋絵画の存在意義を根本から揺るがせる。西洋絵画は近代文明という新しい画題を得る一方で、単にそっくりに描くだけではダメな時代に突入したのだ。

こうした大きな変化の中、それでも古典的な西洋絵画の理想を守り抜こうとした抵抗運動が「新古典主義」で、社会の現実に即した新しい絵画を創り出そうとした革新運動が「ロマン主義」と「写実主義」。今回は、それぞれの運動を代表する3人の画家、アングル、ドラクロワ、クールベを、ヘンタイ美術館的観点から読み解いていった。

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