村上隆、14年ぶりの大規模個展が森美術館で開催

2015年 1月 8日 08:00 Category : Art

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アーティストの村上隆氏が、個展「村上隆の五百羅漢図展」を森美術館で開催することが決定した。会期は2015年10月31日から2016年3月6日まで。ずいぶん先の予定にも関わらず、すでに大きな話題を呼んでいるのは、さすが世界の第一線で活躍するアーティストである。

《五百羅漢図》 2012年 アクリル、キャンバス、板にマウント 302 x 10,000 cm 個人蔵
展示風景:「Murakami - Ego」アル・リワーク展示ホール、ドーハ、2012年 撮影:GION/©2012 Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved.


本展覧会は主に村上氏の近年の活動を紹介するもので、東日本大震災を機に仕上げられた高さ3メートル、全長100メートルもの超絵画大作《五百羅漢図》(2012年)を中心に、大型の彫刻作品や抽象絵画作品などで構成される予定。日本初公開となる《五百羅漢図》は、有限の生と自然の宇宙の無限が交錯するダイナミックなヴィジョン、そこに込められた宗派を超えた祈りの力が注目されており、作家の新たな関心と方向性を感じさせる作品になっている。

そもそも、五百羅漢とはいったい何なのだろうか。調べてみたところ、仏教において供養・尊敬を受けるに値する500人の聖者のことで、仏滅後の仏典編集会議に集った人々が500人であったことから、その参加者を指しているようだ。震災以降、村上氏は被災者支援に積極的に取り組み、芸術と社会の関わりに一石を投じてきた。この作品は彼なりの被災者への供養なのであろう。

村上隆といえば、言わずと知れた世界的なアーティストで、イズム読者ならば、その名を知らない人はおそらく皆無だと思う。とはいえ、「オタクっぽい人」「ルイ・ヴィトンとコラボした人」「ロック・フェラーセンターで何かやった人」といった感じで、実はよく知らない、という人もいるのではないだろうか。そこで、展覧会前に村上隆というアーティストの予備知識を少しもってもいいかもしれない。

村上氏を一躍有名にしたのは、2000年に渋谷パルコギャラリーで開催された「SUPER FLAT展」だろう。自身も村上作品に初めてふれたのがこの展覧会であった。「SUPER FLAT展」は村上氏キュレーションによるグループ展で、佐内正史、奈良美智、グルーヴィジョンズ、ヒロ杉山など、31組のクリエーターの作品が一同に会した、今思うと超豪華な顔ぶれの展覧会だった。

タカノ綾、groovisions、奈良美智、金田伊功

左壁)Mr./正面壁)エンライトメント(ヒロ杉山)/ショウケース)BOME/右壁)町野変丸/右手前)中川正博

SUPER FLAT(スーパーフラット)とは、伝統的な日本絵画と現代のアニメやゲームを、平面性という観点から結びつけて、自作の表現などを語る際に使い出した村上氏が提唱。いわゆるオタク文化を日本古来の様式であると解釈し、疎まれがちであるそういったカルチャーを肯定しようとするアートムーヴメントとも言える。欧米で大変な人気を得るとともに、国内ではオタクやサブカルチャーの論客たちから口撃の的になるなど、賛否さまざまな反響を呼び起こした。

その後、アートイベント「GEISAI」や若手アーティストのプロデュース、企業ブランドやミュージシャンとのコラボレーション、さらには映画やアニメ製作といった幅広い活動を展開したが、村上氏の原点は「SUPER FLAT」にあると自身は思っていた。それを見事に裏切ってくれたのが、来年森美術館でお披露目となる《五百羅漢図》なのだ。この作品には、カイカイもキキも登場しない。テーマも東日本大震災と重厚。そして、約200人の美大生が村上氏の指揮のもと制作するスタイルをとっており、これまでの村上氏の作品とは一線を画している。

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