今週末見るべき映画「ビッグ・アイズ」

2015年 1月 22日 08:10 Category : Art

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昨年の漢字は「税」だったが、ほんとうは2007年の漢字「偽」か、第3位だった「嘘」でよかったかもしれない。ちなみに、昨年の第3位も「嘘」だった。昨年は、音楽作曲やらSTAP細胞やら、嘘、偽りに関する事件がずいぶん騒がれたが、作曲に関しては、ゴーストライターの存在だった。なあに、出版の世界では、ゴーストライターの存在は、昔から、ほぼ常識で、別に、驚くことではない。絵画でのゴーストライターもまた、じゅうぶんにあり得ると思うし、じっさいにあった。

1960年代、ポップアート全盛のアメリカである。ウォルター・キーンの描いた、大きな瞳で、寂しげな表情の子供たちの一連の絵が、アメリカ中を席巻した。ポスターや印刷された複製が、飛ぶように売れた。これが、じつは、ウォルターの描いたものではなくて、ウォルターの妻マーガレット・キーンが、ひそかに描き続けたものであった。裁判沙汰になるほどの事件で、史実である。このゴースト・ペインター事件を基に、キーンの絵の大ファンであるティム・バートンが映画にしたのが「ビッグ・アイズ」(ギャガ配給)だ。


内気なマーガレットは、目立ちたがり屋の夫ウォルター・キーンの口車に乗せられ、世間から隠れて、ひたすら、好きな絵を描き続ける。ウォルターは、さも自分が描いたように、マーガレットの絵すべてに「キーン」の署名を入れさせる。これが、アメリカ中で大評判となる。ふたりは、大金持ちになるが、やがてマーガレットは、すべてを投げ打って、真実を世間に問うことになる。

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