今週末見るべき映画「おみおくりの作法」

2015年 1月 23日 08:00 Category : Art

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孤独死、あるいは孤立死。明確な定義はないが、ひとりきりで死んでいく。老人ばかりではない。世間とのつき合いに乏しいひとり暮らしなら、いろんな病気で死ぬこともある。正確な統計はないらしいが、大震災を経験した日本では、増えているという。死後、いくばくかの時間が経って発見される。たいていは遺品から、身内、親戚が判明して、いろいろと事後処理にあたることになる。遺体処置や遺品整理のビジネスもあるくらいだから、確実に増えているらしい。遺品整理などは、詐欺まがいの業者もいる、と聞いている。一人暮らしの者には、人ごとではない。悲しく、寂しいことではあるが。

イギリス、ロンドン南部の下町ケニントン。地区の民生係をしているジョン・メイの仕事は、孤独のうちに死んだ人を弔うこと。真面目で、几帳面な独身男である。「おみおくりの作法」(ビターズ・エンド配給)は、ひとまず、ジョン・メイの仕事がどのようなものかを綴っていく。

自らの作法通り、ジョン・メイは、まず、死んだ人の写真を見つけ、故人の宗教を調べ、死んだ人に合わせた弔辞を書き、愛した音楽が分かれば、その音楽を葬儀で流す。また、遺品から知人が分かれば、葬儀に招く。ジョン・メイは勤続22年、多くの人をみおくってきた。上司は、「死者に想いなど、存在しない」と言うが、ジョンは、そう思わない。効率を優先する役所仕事である。突然、ジョン・メイは、リストラを宣告される。ジョン・メイにとって、最後の仕事が始まる。


ジョン・メイは、愚直なまでに、自らの信じた方法で仕事をこなす。故人の知り合いを探して、イギリスのあちこちに出かける。当然、いろんな人に出会う。ふだんも几帳面だが、ことに今回の最後の仕事には、気合いを入れて取りかかる。なにもここまでしなくてもいいのにと思うが、ジョン・メイは、きちんと調査、取材を続けていく。

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