日常世界の向こう側に潜むアート|高松次郎展

2015年 1月 19日 08:00 Category : Art

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1960年代から90年代まで、現代美術の世界をクールに駆け抜け、死後もなお世界的に注目され続けているアーティスト、高松次郎(1936-1998)の回顧展「高松次郎ミステリーズ」が、東京国立近代美術館で行われている。

東京オリンピック前の1960年代に赤瀬川原平、中西夏之とともに、路上・電車の中・ホテルなどといった日常的な場所で非日常なイベントを起こす「ハイレッド・センター」という前衛芸術グループを組織していたことでも知られている高松次郎は、常に「日常の世界の向こう側にある、別の世界を見せよう」と提案しつづけたアーティストである。「自分は作品の前に立っているが、自分ではなく他人の影が描かれている」〈影〉シリーズなどで有名だ。他にも遠近法の原理を応用した造形の不思議さを実感できる立体作品や、設計図のように精巧なスケッチなどの作品がある。

《紐》を制作中の高松次郎 1963年頃/©The Estate of Jiro Takamatsu, Courtesy of Yumiko Chiba Associates

こんがらがったヒモ、光と影のたわむれ、おかしな遠近法の椅子やテーブル、たわんだ布、写真を撮った写真、そして単純さと複雑さをあわせもつ絵画…。時期によって見かけも素材もばらばらな高松の作品は、理解するのが難しいかもしれない。しかしそんなばらばらな作品をくわしく見ていくと、いくつかの形や考え方が繰り返し現われることに気づく。

「高松次郎ミステリーズ」は東京国立近代美術館のキュレーター3名が、一見謎めいた高松作品をその背後にひそむ「一貫したつながり」に注目しながら、高松の初期・中期・後期の3章を、3人のキュレーター(桝田倫広・蔵屋美香・保坂健二朗)がそれぞれ担当し、わかりやすくていねいに私たちに紐解いて行く。

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