今週末見るべき映画「チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密」

2015年 2月 5日 08:00 Category : Art

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ジョニー・デップという俳優は、実在・架空を問わず、個性の際だった人物を、数多く演じている。おそらく、演じ甲斐があるのだろう。しかも、シリアスな役から、コミカルな役まで、深く計算された性格描写で、楽しませてくれる。なにより、どのような役柄でも、ジョニー・デップ自身が、さも楽しそうに演じている。

「シザーハンズ」は、人間かどうかは判然としないが、「エド・ウッド」、「ラスベガスをやっつけろ」、「パブリック・エネミーズ」などは、実在した人物がモデルである。いずれも、よくできた映画である。架空の人物では、いろいろとバラエティに富む。女装もすればヒッピーにも、吸血鬼にもなる。近く公開の「イントゥ・ザ・ウッズ」では、赤ずきんちゃんのオオカミ役だ。カリブの海賊の映画でも怪演、もう5作目になるほどのヒットぶりである。

このジョニー・デップが、税金滞納の貴族で、詐欺師まがい、いかがわしいアート・ディーラー、チャーリー・モルデカイに扮し、ゴヤの名画や巨万の富をめぐってのドタバタ・コメディを、さも楽しそうに演じるのが、「チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密」(KADOKAWA配給)だ。


まるで、ドタバタ喜劇である。畳みかけるようにドラマは展開、進行する。よく計算された設定で、見る者を引きつけてしまう。モンティ・パイソンのようでいて、ピーター・セラーズふうでもあり、1930年代、40年代のスクリュー・コメディのタッチでもある。

原作は、役者で、SF小説の編集者、美術商でもあったキリル・ポンフィリオリの小説「ドント・ポイント・ザット・シンギ・アット・ミー」で、邦訳では「チャーリー・モルデカイ(1)英国紳士の名画大作戦」(角川文庫・三角和代訳)。原作のエッセンスを残して、設定はかなり脚色されている。脚本は、「オン★ザ★ライン 君をさがして」を書いたエリック・アロンソン。映画のための脚本が優れているせいか、映画を見ると、必ず原作を読みたくなるほど。また、モルデカイの登場するほかの作品もまた、読みたくなるほどである。

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