今週末見るべき映画<番外編>「ヴァチカン美術館 天国への入口」

2015年 2月 27日 08:05 Category : Art

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神が塵から人間を作り、人間は彫刻で神々を彫る。そのようなイメージ映像が出る。また、ミケランジェロらしき人物が登場したり、生命を象徴するかのような美しいシーンが挿入される。塵が舞い、葉に水滴が滴り、花が咲く。映像には、荘厳な雰囲気が漂う。次々と、美術品が出てくる。


磨かれた大理石の「ラオコーン群像」は、見事な彫刻だ。頭と両腕、両足の膝から下はないが、「ベルヴェデーレのトルソ」は、筋骨隆々の美しい肉体だったことが分かる。ミケランジェロ、ラファエロと並ぶルネサンスの巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチの傑作「聖ヒエロニムス」は、ヴァチカン美術館が購入するまでは、数奇な運命をたどっている。

絵画館もヴァチカン美術館の一部だ。ここにあるのは、ジオットの「ステファネスキの三連祭壇画」と、カラヴァッジョの「キリストの埋葬」。そのリアルな表現からは、プロテスタントが台頭しつつある当時の宗教事情が窺える。

展示は、過去と現在が混じり会う。後期印象派のゴッホは、ドラクロアの「ピエタ」に触発されて、「忘れられたピエタ」を描く。不安でこわばった表情のイエスだ。シャガールもまた「赤いピエタ」を描く。フォンターナの「聖母像」がある。ダリの晩年の傑作「キリストの磔刑」では、ダリの言葉が引用される。「天国は上には存在しないし、下にも右にも左にもない。天国は信仰を持つ人間の中にある…」。

「ラファエロのスタンツェ」という4つの部屋がある。ユリウス2世の公邸だったスペースだ。「署名の間」にあるのは、ラファエロの「アテネの学堂」だ。ソクラテスやプラトン、ヘラクレイトスなど、古代ギリシャの哲学者や数学者が描かれる。「火災の間」にあるのが「ボルゴの火災」、「ヘリオドロスの間」には「聖ペテロの解放」がある。月明かりに松明の灯り。そのなかに、天使が輝いている。いずれもラファエロの傑作だ。

16世紀の初め、ミケランジェロは、教皇ユリウス2世から、システィーナ礼拝堂の天井画を描くよう依頼される。床から20メートルまで足場を組み、天井の1080平方メートルものスペースに絵を描く。1960年に日本で公開された映画「ベン・ハー」の冒頭に出てくる「アダムの創造」や、「原罪と楽園追放」、「大洪水」など、旧約聖書からの場面が描かれている。圧巻である。

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