ジャポニスムの旗手、ホイッスラーの回顧展

2015年 2月 10日 08:00 Category : Art

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第2章 『風景画〜始まりは正確な自然描写、やがて詩情奏でる表現へ』
「自然は色や形など、すべての絵画の要素を含んでいる」(『10時の講演』1885年)と述べたホイッスラーは、自然の中に絵画を生み出す要素を求め、またこれらの要素を熟練した技によってカンヴァスに調和させることが、芸術家の役割であると主張した。

レアリスム(写実主義)への傾倒から出発し、晩年に至るまで自然への敬意を忘れなかったホイッスラーだが、その表現は、初期から晩年の間に大きく変化していった。

《肌色と緑色の黄昏:バルパライソ》に見られるのは、写実的表現から遠ざかり、色や形といったより純粋な絵画の要素への関心である。それは自然の「正確な描写」ではなく、「芸術的な印象」を詩情豊かに表現していくことであった。黄昏のひとときが、紫、水色、肌色などの微妙な色調の変化によって表現された本作品は、ホドラーのレアリスムから唯美主義への転機を示すものであり、後に「ノクターン」と呼ばれる一連の風景画の最初の試みでもある。

《肌色と緑色の黄昏:バルパライソ》
1866年 テート美術館/©Tate, London 2014


《オールド・ウェストミンスター・ブリッジの最後》は、ロンドンでの閉塞的な生活から逃れるように訪れた南米チリで描いた作品である。

《オールド・ウェストミンスター・ブリッジの最後》
1862年 ボストン美術館/Museum of Fine Arts, Boston, A. Shuman Collection-Abraham Shuman Fund,39.44. Photograph/©2014 MFA, Boston

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